BBC News

2017年1月13日

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ケリー・アレン記者(BBCモニタリング)

中国南部の広西チワン族自治区で、92歳の女性が息子と息子の妻によって「何年にもわたり」豚小屋で生活させられていたと地元各紙が報じ、衰弱した様子の女性の写真がソーシャルメディアのユーザーの間で強い反応を呼び起こしている。

地元紙の南国早報によると、ヤンという苗字の女性は南京錠がかかった10平方メートルの部屋で寝起きしている。木製ベンチがベッド代わりだという。

女性は自分の意思で小屋で生活していると、一部で指摘が出ていることを受けて、女性が置かれた状況について誰かの責任を問うべきなのかについても議論が沸き起こった。

中国のインターネット・ユーザーの間では最近数カ月、高齢者の親の世話を子どもたちが放棄している事例を激しく批判する動きが強まっている。

「なんてことを」

今回の騒動は、「プリティー・ナン・グアラン」のハンドルネームを使う地元女性が、中国の動画撮影・共有アプリ「秒拍」に、格子戸の脇に座るナンさんの姿を投稿したことがきっかけになった。

女性は動画の中で、「こんな場所で生活させるなんて、なんてことをしているの? ご飯もあげずに?」とヤンさんの家族に問いただしている。

動画は今月6日に投稿されて以来180万回以上再生され、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」には多くの怒りの声が寄せられた。

ハッシュタグ「#92YearOldKeptInPigsty(豚小屋に閉じ込められた92歳)」を使った数万の投稿は、ヤンさんの息子と妻を「けだもの」や「くず」などと罵倒。「報復」を求めるコメントもあった。

「大きな負担」

今月10日には南国早報が、栄養失調状態に見えるナンさんが健康診断を受ける姿を撮影した写真を掲載。さらに怒りの声が高まった。

南国早報によると、ヤンさんは現在病院で治療を受けており、近隣住民が布団や衣服を提供しているという。

周囲の人たちがヤンさんを助けている様子に、多くの人が胸をなでおろした。2014年には中国中部の河南省で、同じような扱いを受けていた90歳の女性が死亡している。

しかし南国早報は、小屋に住むのは母親が自ら申し出たことだと息子のウーさんが説明した、と伝えている。母親は、自分の失禁が家族にとって「大きな負担になる上、家を臭くしてしまうのが心配」だと、ウーさんに語ったという。

警察は、ウーさんと妻には虐待の疑いがあるが、もしヤンさんが自ら移り住んだのなら、容疑は掛けられないと述べた。

「異常な社会」

高齢な親に対する不当な扱いをめぐってソーシャルメディアに怒りが渦巻いたのは、ヤンさんの例が初めてではない。

昨年11月には、ごみをあさり、飲食店の残飯を食べる河南省の62歳の男性を撮影した動画に、多くのネットユーザーが反応した。男性は、中年の娘の負担にならないために、自らの意思でごみをあさる生活をしているという。

同じ月には、気温が零度を下回る街中で一晩中野菜を売る、中国北部の済南市の70歳女性について、ソーシャルメディアで議論になった。家を買おうと貯金する息子を助けるためだと女性は語ったという。

「キートップ」というハンドルネームのユーザーは、「なんて異常な社会になってしまったんだ」とコメントした。

(英語記事 Online fury over Chinese woman, 92, 'kept' in pigsty

提供元:http://www.bbc.com/japanese/38606092

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