ネット炎上のかけらを拾いに

2017年3月7日

»著者プロフィール

 小金井刺傷事件の判決が出た2月28日。被害者に対して「脇甘すぎ」などと書いたアニメーション監督のブログが炎上した。

無神経な二次加害に批判殺到

 ファンの男がシンガーソングライターの女性にSNS上でしつこくつきまとった挙句、刃物で襲い、大けがを負わせた小金井刺傷事件。2月28日に東京地裁で懲役14年6カ月の判決が言い渡された。

iStock

 ストーカー規制法の改正にもつながったこの事件に関心を持った人は多く、判決の是非についてネット上でも多くの意見を見かけた。犯人に対する怒りを書き綴るコメントが圧倒的だった中で、被害者に対して「脇甘すぎ」などと、その「落ち度」を書き立てたブログが炎上した。アニメーション監督のY氏のブログだ。

 Y氏は「トラブルシューティング」(現在削除済み)と題したブログで、「被告が許される余地は微塵もない。こんな輩、一生社会に出てこなくていい」と書いた後、こう続けた。

「だけどね、被害者の女子大生に落ち度がなかったかと言えば、ちょっと異論がある」
「こっち関係の知り合いと話すとね、必ず言うのです。『脇甘すぎ』と」
「まず、アイドル活動(に近い活動)をしている人間が、迂闊にファンをブロックしてはダメです」
「あと、プレゼントを突き返すのも、当てつけに思われてもしょうがないです」

 “こっち関係”とは、恐らくマスコミや芸能関係の“業界内”という意味だろう。その後、事務所がなぜうまく間に入らなかったのかと書き、

「僕みたいに、いつ襲われてもかかってこいや、こっちだって武器を持って応戦してやるぜ!みたいな姿勢なら、どれだけ強硬な態度を取っても構いません」
「ただこの子は、どうもそういうトラブルシューティングなしに、覚悟なしに、持って生まれた気の強さだけで、ことを悪化させてしまった可能性は、あると思うのです」
「女性の意見陳述を見てもね、どうしても思ってしまいました。相当気のキツい子なんだなぁ、と」

 と続けた。ツイッター上で批判が殺到し、Y氏はその後、批判に反論する投稿を複数行い、元記事は削除している。批判の内容は主に、「ストーカーとかレイプ被害者に落ち度があるという言説はセカンドレイプになるし、完全な自衛は無理ということを義務教育で教えるべきでは」「あのさぁ、何で加害者と被害者を天秤にかけて釣り合わせないといけないの?」というツイッター上のコメントに集約されるだろう。どんな理由があれ、被害者の落ち度を問うのは二次加害(セカンドレイプ)となる。

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る