使えない上司・使えない部下

2017年4月7日

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吉田典史 (よしだ・のりふみ)

ジャーナリスト・記者・ライター

ジャーナリスト。1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006 年から、フリー。
主に、人事・労務分野で取材・執筆・編集を続ける。『悶える職場』(光文社)、
震災死』『あの日、「負け組社員」になった…―他人事ではない“会社の落とし穴”の避け方・埋め方・逃れ方』(ダイヤモンド社)『封印された震災死』(世界文化社)など。

 今回は、人事コンサルタントであり、明治大学大学院グローバル・ビジネス研究科の客員教授である林明文氏に取材をした。30年以上にわたり、多くの中堅、ベンチャー、大企業、外資系企業などのコンサルティングに関わってきた。コンサルティング会社・トランストラクチャの代表取締役も務める。テーマは、「部長や本部長にはなるけれど、役員になれない人」。

(iStock)

社長や専務、常務は大いなる矛盾

 役員ならば、少なくとも自社のビジネスの価値を語ることができないといけない。

 「我々のビジネスはこういうところで、これほどに優れている。こんな顧客に、こういう価値をこのようにして提供できる。それで、利潤を得る」

 さらに言えば、ビジネスの根幹をなす商品、サービスの市場や今後の動向、それらに対しての効果的な戦略、例えば、価格やそのあり方を次々と語ることができて当然なのです。いずれにも説得力があり、ビジネスとして実現をさせることができないといけない。

 このようなことを語る役員は少ない。経営について深く考えてこなかったと思える人がいる。日本企業では、役員は、社員の昇格の「上がり」(ゴール)になっています。部長や本部長から役員を選ぶときに、経営を心得ているかどうか、という目で選んでいない。たとえば、「本部長のときに、こういう業績があった……」として選んでいます。経営をする人を選ぶ、という意識が社長、役員に希薄なのです。
 
 言い換えると、役員とは何か、と深く議論をしていない。役員の定義、評価、報酬があいまいで、明確なルールが浸透していない。役員の数を減らす企業は、増えています。一方で執行役員を設け、その数を増やしている場合があります。しかし、双方の位置づけや役割があいまいで、経営と執行機能がきちんと分離されていない。

 結果として、たとえば、「役員会に誰を残すか、誰を専務にするか、執行役員から誰を役員会に入れるか」といった社内バランスで判断していることが多い。

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