今月の旅指南

2017年5月23日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 線のように細長く引き伸ばされた人物像など、独特な造形で知られる20世紀を代表する彫刻家、アルベルト・ジャコメッティ。このたび世界3大ジャコメッティ・コレクションに名を連ねる南仏のマーグ財団美術館の所蔵作品を中心に、国内で11年ぶりとなる大回顧展が開かれる。

 1901年、スイスに生まれたジャコメッティは、20歳でパリに出て、新たな芸術の潮流だったキュビスムやシュルレアリスムの影響を受けた作品を発表。その後モデルと向き合う制作スタイルのなかで、代名詞となった細長い彫像を生み出していった。

アルベルト・ジャコメッティ 《歩く男Ⅰ》 1960年 ブロンズ   マルグリット&エメ・マーグ財団美術館蔵、サン=ポール・ド・ヴァンス  Archives Fondation Maeght, Saint-Paul de Vence (France)

 本展には、初期から晩年までの彫刻約50点をはじめ、油彩や素描、版画など、約135点におよぶ作品が集結。各時代の代表作を通して、ジャコメッティの創作活動の軌跡をたどることができる。

 見どころの一つが、ニューヨークのチェース・マンハッタン銀行の依頼で制作された「歩く男Ⅰ」「女性立像Ⅱ」「大きな頭部」の3点の大作。「3人の男のグループ(3人の歩く男たち)」などの複数の人物を配した彫刻も圧巻だ。

 虚飾をそぎ落とし人間の存在の本質に迫ろうとした結果得られたという、細長い人物の造形。彫刻家、ジャコメッティの挑戦に思いを馳せてみたい。

●ジャコメッティ展
 <開催日>2017年6月14日~9月4日
 <開催場所>東京都港区・国立新美術館(東京メトロ千代田線乃木坂駅下車)
 <問>☎03(5777)8600
  URL:http://www.nact.jp/

     http://www.tbs.co.jp/giacometti2017/

*情報は2017年4月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2017年6月号より

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