2024年5月28日(火)

2023年7月20日

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ニッチな特殊溶接棒の製造販売や溶接・溶射施工を自社で行い、営業収益を伸ばしている東海溶業株式会社。2015年のグループ参入以降、ガバナンス強化と共に互いの強みを活かしてビジネスを展開するアルコニックスの手代木社長にお話を伺った。

環境ビジネスを推進

アルコニックス株式会社 代表取締役 社長執行役員COO 手代木 洋    (てしろぎ・ひろし) 1981年日商岩井株式会社(現:双日株式会社)入社。2003年アルコニックス株式会社に入社以来、アルミ・銅製品事業に携わり2004年執行役員就任時に同事業のトップに。2014年取締役就任後も、国内外流通、海外ビジネス展開において統率力を発揮。コーポレート部門長、連結子会社役員等の要職を経て2022年4月取締役社長執行役員COO、同年6月代表取締役社長執行役員COOに就任。

 非鉄金属を専門領域として商社機能と製造機能を併せ持ち、M&A(2023年7月時点で21件)による事業拡大で躍進を続ける「アルコニックス」。ガバナンスの向上や新規M&Aなど、さらなる組織強化に向けて体制を整えているという手代木社長に、直近の取り組みについて伺った。

 「現在注力しているのはリサイクル事業。今はアルミ・銅のスクラップが主だが、リサイクル施設の建設を目的に取得した北九州の用地で、取扱数量やアルミ・銅以外の取扱品目を増やし強化していきたい」

 企業における環境への配慮が重要視される昨今、商社で国内にリサイクル用地を有する企業は珍しく、以前から手掛けてきた事業を今後も拡大していく構えだ。

 東海溶業は、3R※の中でも「リユース」に関連する事業を展開しており、「表面改質技術の提供による社会の長寿命化への貢献」を経営理念とし、長く使用できる金型・設備の実現で環境への寄与を掲げるグループ企業の一つ。取扱製品の出荷先である自動車業界は、アルコニックスグループが注力する3分野の一つで、以前からの取引先という関係性もあり2015年に資本業務提携。東海溶業について手代木社長は、業界のさらなるシェア拡大に向けたリソースの投下や技術革新、新製品の開発等でさらなる収益力の向上を期待していると話す。

※3R:Reduceリデュース(減らす)、Reuseリユース(再使用)、Recycleリサイクル(再生)

肉盛溶接材料のパイオニア

(右上)東海溶業で働く社員たち。(左上)溶接・溶射など各部門に分かれた工場内。(右下)電子顕微鏡による溶着金属の断面組成の観察。(左下)主力商品である「トウカイ溶接棒」。 写真を拡大

 溶接作業で母材を接合させるために使われる溶加材を溶接棒というが、鉄と鉄の接合やステンレスの接合といった大半の溶接棒に比べ、世の中全体のわずか1%にも満たない特殊溶接棒の製造販売を行っているのが東海溶業である。部品の耐摩耗性や耐食性を向上させる肉盛溶接に特化しており、要求された特性に応じて合金を開発し、溶接材料を提供できるのが強み。多品種小ロットの材料供給も可能だ。さらに、受託加工という形で溶接と溶射双方の施工を請け負っており、自社内で完結するメーカーは全国的にも稀だという。

 自動車業界をメインに、自動車のプレス金型やダイカスト金型、鍛造金型用の材料を取り扱っており、自動車製品製造用金型向けの肉盛溶接材料の販売シェアは全国でもトップクラスと自負する。円安によって顧客の設備商品の輸出販売が急増したことに伴い、東海溶業の溶接材料もその分野では、今年はコロナ禍前の2倍程度の出荷となる見込み。グローバルに展開しており、金型の主要生産国である中国、韓国を中心に、東南アジア地区の商圏も維持しながら、インド、メキシコに向けた新たな開拓、拡販を行っていくのが今後への大きな課題だという。

 アルコニックスグループの一員となったことで実感したシナジー効果について、東海溶業の大竹社長はこう話す。

 「グループ会社で商社流通に属するアルコニックス・三高の倉庫を活用できるようになった。製造面では、原材料の確保ができ、需要に応じた製造、安定供給ができるようになった。販売面では、アルミダイカストメーカー、アルミ圧延メーカー、製紙メーカーなどをアルコニックスに紹介してもらい、各種補修材料や補修施工の受注が増加し売上拡大に繋がった」

 グローバルスタンダードを目指し今後も継続していく企業として、アルコニックスのバックアップにより内部の管理体制が整ったことも、東海溶業にとって大きなプラスとなった。

東海溶業とアルコニックスの新たな挑戦

 世界的なEV化により、中国をはじめ世界の自動車メーカーがメガアルミダイカストによる一体成型製法を取り入れる傾向に。鋳造のスピードや材料の節約、省人化の観点からも一部の製品がプレス分野からダイカスト分野に移行を開始するという。それによって東海溶業は、アルミダイカスト工場に向けた補修金型用の溶接材料の販売増や、環境規制によるコバルトレス溶接材料の受注増にも期待を寄せる。さらに、技術の継承を行いながら、自動化の波で注目されているレーザークラッディング用の粉末材料の開発にも着手。「今まで培ってきたノウハウをこれからの自動化に活かしつつ、新しいことにも積極的にチャレンジしていくのが、企業の存在価値である」と大竹社長は語る。

 そうした挑戦を全面的に後押しし、M&A企業の自律成長をサポートするアルコニックス。グループ全体として、持続可能な「夢みた未来」の実現のために必要なことは、手代木社長曰く「まずは内部統制の強化。次に企業を形成する『人財』への投資。そして、企業が普遍的に継続できる収益力の拡大」だという。

 自社もCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)の有効活用によるROE(自己資本利益率)改善や、社名に含まれている「X(未来へのエクステンション)」が示す新たな商品の開発、新領域への挑戦を掲げている。業界のリーディングカンパニーとして、さまざまな活動を通じて地域社会に貢献していくことこそが、企業価値を高め、時代を切り開く道標となるはずだ。

ニッチな特殊溶接材料分野で邁進

 

 

 

代表取締役社長
大竹 直樹(おおたけ・なおき)

立教大学経済学部を卒業後、日商岩井非鉄販売株式会社(現:アルコニックス株式会社)に入社。主に建設資材の販売に従事。アルコニックス株式会社名古屋支店勤務を経て2016年より東海溶業株式会社に出向勤務。同社取締役を経て2022年6月に転籍し代表取締役に就任。一級建築施工管理技士。

 

1963年に初代が名古屋市で特殊溶接材料の開発を開始し、今年で設立60周年を迎えます。拠点のある豊田市主催の「とよたSDGsパートナー」として今後も地域社会に貢献すると共に、将来的には溶接、溶射施工に加えて表面改質処理の商品の幅を増やし、総合表面改質メーカーとして顧客を満足できるメーカーに成長していきたいと考えております。

 

東海溶業株式会社
所在地 愛知県豊田市花本町井前1番29号
設立 1963年11月 従業員35名(2023年3月末時点) 
売上高 7.5億円(2022年3月期)
http://www.tokai-yogyo.co.jp/