2024年10月31日(木)

2024年8月20日

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工場拡張による進化と事業拡大

 2023年1月からは新工場の稼働を開始。主にチップマウンター部品の量産品を製造している。今までは建屋ごとに工程が分かれていたが、1つの工場に全ての工程を集約することで、移動距離や生産期間が短縮され、品質と生産性が大幅に向上した。藤井社長は、「建屋面積の拡大により将来的に新たな設備を増設するスペースが確保できたことが取引先への大きなアピールになった」とし、新規受注にも意欲的。加えて、昨年3月には太陽光発電設備も導入。

「工場を構える愛知県豊橋市は日照時間が長いため立地的にも適しており、弊社電力の17%程度は太陽光発電で確保できている。CO2削減にも貢献しており、コストダウンにも繋がっている」

 チップマウンター部品に留まらず、ブレーキ用部品やEV等の新エネルギー車の中で成長が見込まれる水素自動車部品にも、大羽精研の技術が使われている。アルコニックス手代木社長も「信頼性の高い部品を担っていることは、今後の需要拡大に大きく影響するだろう」と期待。

 また、ロボットや自動車等に活用される小型減速機用の部品、手術ロボットの基幹部品・整形外科用インプラント部品等の引き合いも増加。開発、試作から量産までをフルサポートし、取引先と共に課題解決を目指す。自動車、医療、減速機分野が、これからの大羽精研の新たな事業の軸になっていくであろう。

 

非鉄業界の求心力を持つ企業に

 手代木社長は、高齢化社会において誰でも安心・安全に働ける職場環境づくりを前提としつつ、アルコニックスグループとしての未来をこのように見据える。

「製造業はやはり匠の世界であるため、伝承する人財が重要。ガバナンスにも力を入れ、社内インフラの基盤も整ってきた今、私達が目指すべきは、アルコニックスが成長の礎としてきた国内の非鉄業界に貢献できるM&Aを能動的に行っていくこと。最終的には日本国内全体への社会貢献、サスティナブルな世界への貢献というビジョンも掲げながら、M&Aを通して非鉄業界の求心力を持つ企業になることを目標に邁進していきたい」

 業界のリーディングカンパニーとなるべく、進化を止めないアルコニックス。不可能を可能にしてきた匠達の哲学が、これからも日本のものづくりを支えてくれるに違いない。

(左上)3D-CADモデルを操作する様子。(右上)3Dモデルによる打合せ風景。(左下)最新鋭の設備による高精度加工。(右下)非破壊検査を行うX線CT三次元測定機。 写真を拡大

 

 

 

 

 

 

代表取締役社長 藤井 拓己(ふじい・たくみ)
 
1981年に名古屋大学工学部を卒業後、株式会社神戸製鋼所へ入社。
国内外の事業所の運営、常務執行役員、顧問を経て2019年4月大羽精研株式会社に入社。
副社長を経て2021年6月代表取締役社長に就任。

 

 

弊社の強みであるチップマウンター部品に加え、自動車、及び産業用・医療ロボット装置部品、イメージセンサー部品など「ミクロンオーダーを当たり前」としてお客様のニーズに応えております。最近では高効率を目指す次世代の減速機等のご要望も増えてきております。最先端の工作機械、測定器を導入し、弊社の最大の資産である「人財と技術を融合」することで、お客様の諸課題を共に解決していき設計・開発ステージからサポートさせていただきます。

 

大羽精研株式会社 
愛知県豊橋市寺沢町字深沢170番地
創業1973年4月  
売上高62億円(2024年3月期) 
従業員320名(うち社員265名)※2024年3月現在
総設備台数300台(うち検査機器50台)
https://www.ohba-seiken.co.jp/