◎第2巻刊行!ついにシリーズ全2巻完結
文明史の広大な視野から解き明かす中国膨張の論理と本質!
2008年8月から始まった
フォーラム「文明学の世紀」は、
日本と中国との関係を長期的・短期的の
両視座から省察できる研究会として10年以上続いている。
中国文明論、日中歴史分野、日米関係、中東、ロシアなどの
研究者・ジャーナリストなど21名の議論をベースに、
各メンバーが文明学的視座から執筆。
日本人が自身の「文明」について考えるために、
また台頭目覚ましい隣国「中国」を前に、
どのような視点を持てばよいのか提示する。
[目 次]
第Ⅳ部 文明史から見た日中関係
第10章 近代日本の「文明史」ち中国(小山俊樹)
第11章 近代日中関係の始まりと名倉信敦(森田吉彦)
第12章 岩井公館関係者の文化大革命(川島真)
第13章 中国国家と近代の超克(石平)
第Ⅴ部 現代中国のプレゼンス
第14章 「善意」と不信(平野聡)
第15章 中国台頭の中の韓国(木村幹)
第16章 戦後日中関係と歴史認識の溝(坂元一哉)
第17章 ロシア・ウクライナ戦争と中国(佐々木正明)
おわりに(中西輝政)
編者のことば(「おわりに」より)
本書は昨年(2022年)2月、ウェッジから刊行された『シリーズ日本人のための文明学1 文明と覇権から見る中国』の姉妹編として、このたび新たに同社より上梓されたものである。
同書刊行直後の2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻が開始され、世界が揺り動かされる日々が続いている。このロシアによる侵略戦争は、第二次世界大戦後の国際秩序の根幹に対する挑戦という意味をもっており、その成り行き次第では、我々が当然のように考えてきた世界の風景をも一変させかねない、真に歴史的な結果をもたらすことになるかもしれない。
しかし、それにもかかわらず、21世紀の世界秩序の大きな方向を決定づける要因は、依然として「中国」であることに変わりはない。本書と、それに先立って刊行された前掲の姉妹編(『文明と覇権から見る中国』)も共に、「中国」を、21世紀の行方を方向づける一大中心テーマであるという視点を強く押し出そうという問題意識で貫かれている。(以下略)