今月の旅指南

2018年2月23日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 近代日本画の巨匠、上村松園(うえむらしょうえん)。その代表作で美人画の最高傑作に数えられる「序の舞」の修復が完了したのを機に、さまざまな美人画にスポットを当てながら、その系譜をたどる展覧会が開かれる。

重要文化財 上村松園 《序の舞》
昭和11年(1936) 東京藝術大学蔵

 扇を手にして舞う娘の、凛とした品のある姿を描いた「序の舞」は、昭和11年(1936)の文展招待展に出品、政府に買い上げられ、平成12年(2000)には重要文化財に指定された。縦230センチを超える大作で、茜色の振袖がひときわ目を引く。生涯にわたり気品の感じられる女性像を描き続けた松園自身が「私の理想の女性の最高のもの」と評するほどの渾身の作だ。

 本展では、「序の舞」に至る美人画の源流を江戸時代の風俗画や浮世絵にさかのぼり、昭和初期までの名品約60件を紹介する。

 なかでも見ごたえがあるのが、鏑木清方(かぶらききよかた)や山川秀峰(しゅうほう)らの東京画壇と、松園や菊池契月(けいげつ)、北野恒富(つねとみ)ら関西画壇のいずれも美人画の名手たちによる東西の女性像のあでやかな競演だ。

 清方の「たけくらべの美登利」や秀峰の「序の舞」をはじめ、松園の「母子(ぼし)」(重文)や「鼓(つづみ)の音(おと)」、「草紙洗小町(そうしあらいこまち)」、契月の「散策」など、どれも優美な女性たちが描かれた作品が並び、春爛漫の季節にふさわしい華やいだ雰囲気に浸ることができる。

●東西美人画の名作 《序の舞》への系譜
*期間中、展示替えあり
 <開催日>2018年3月31日~5月6日

 <開催場所>東京都台東区・東京藝術大学大学美術館(山手線上野駅下車)
   <問>☎03-5777-8600

   URL:https://www.geidai.ac.jp/museum/
 URL:http://bijinga2018.jp/

*情報は2018年1月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2018年3月号より

 

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