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2018年2月14日

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話し合えていたはずの夫婦でも、育児が始まると……

――アメリカは「家族を一番に考える文化」があると言われますし、女性も意見をはっきりと主張するイメージがある。一方で育児に関して妻が夫にフラストレーションを感じやすいのはアメリカでも同じなのか……と思いました。

『子どもが生まれても夫を憎まずにすむ方法』(ジャンシー・ダン 著、村井理子 翻訳、太田出版)

村井:アメリカでも、というのもそうですが、著者のジェンシーはフリーライターで、夫のトムは作家。2人はマンハッタンのソーホーにマンションを持っているっていう、いかにも「進んだ」夫婦なんです。お互いに何でも話し合って解決することができると思って結婚して、実際に妊娠9カ月目まではうまくいっていた。でも産んだ瞬間に(夫婦関係が)がくっと崩れてしまう。そういうことがあり得るんですよね。

――知的でユーモアがあり、経済的にも余裕のある夫婦で、同じような働き方をしている。それでも育児となると、負担が妻に偏ってしまう。共働きの場合でも、子どもに睡眠を邪魔される母親の数は父親の3倍という調査が本書では紹介されています。

村井:赤ちゃんの泣き声で女性はすぐに目を覚ますけれど男性はそうではなく、彼らにとっては車のアラームや強風の方が潜在的な脅威であるという調査結果も載っていましたね。訓練だとも思うんですけどね。もし妻が出産後に体を壊すとか入院しなくてはいけない状況であれば、同じように起きないかと言ったら恐らく違うので。睡眠って大きなネックだと思います。

――睡眠不足はメンタルに直結するのでツラいですよね……。

村井:睡眠不足が続くことの恐ろしさっていうのは私も骨身にしみて感じています。子どもが乳幼児の頃は、本当に睡眠を取りづらい。その頃にもし「子ども見てるだけなら疲れないだろ」なんて言われたら、その恨みは一生消えないでしょうね。

アメリカの父親が好むのは「インスタ映え」する育児?

――村井さんの訳者あとがきには、「『家にいるのになぜそんなに疲れるの?』『一日中、一体何をやっていたの?』という、夫からの何気ないひとことが、妻たちの心を引き裂いていることは、もっと広く認知されてもいいはずだ」とあります。

村井:「子育てで疲れたりしないでしょ」って、言われる妻は多いですよね。

――1日でも子どもを1人で見た経験があれば、言えないですね。

村井:最近の若い男性は、育児に参加することを自分のライフスタイルの一つと考えたり、自分の喜びでもあるから奥さんと一緒に育てようっていう意気込みを持っている人が増えていると思います。けれどそれでも、選択的な育児になりがち。たとえばアメリカの場合では、「インスタ映えする育児しからやらない」って言われています。

――インスタ映え育児。

村井:パンケーキを焼いたり、公園に連れて行って遊ばせたりはするけれど、ウンチのついたオムツは替えない。掃除はするけどトイレ掃除はしないとかね。女性の場合、基本的に選択肢はないのだけれど、男性の場合はそうじゃない。女性は24時間いつでも動かなければいけないんだけれど、男性は「8時間寝た後でいいよね」みたいなのがありますよね。

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