前向きに読み解く経済の裏側

2018年4月23日

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塚崎公義 (つかさき きみよし)

久留米大学商学部教授

1981年、東京大学法学部卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。主に調査関連部署に勤務した後、2005年に銀行を退行して久留米大学へ。著書に『増補改訂 よくわかる日本経済入門』(朝日新書)、『老後破産しないためのお金の教科書』(東洋経済新報社)、『世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書』(宝島社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)など多数。

 財務省は、軽い風邪などで診察を受ける場合には、患者の自己負担を上乗せするという見直し案をまとめたようです 。軽い病気でも気楽に診察を受ける患者が多いので、医療費が嵩んでいる、というのが理由のようです。財務省が財政再建に熱心なのはわかりますが、一工夫必要でしょう。

(Dmitrii_Guzhanin/iStock)

風邪らしい症状でも気楽に受診して欲しい

 風邪だとわかっていれば、受診の必要はありませんが、怖いのは「風邪のような症状の悪質な感染症」である可能性です。「風邪だと自己負担が高いから、受診しない」という患者が悪質な感染症であった場合、症状が悪化して周囲に感染させてしまう可能性があります。従って、そうした可能性のある患者は気楽に受診してもらい、風邪だとわかればそれで良いでしょう。

 風邪だとわかるまでの診察料は、自己負担を少なくして積極的に受診してもらう一方で、風邪だとわかった後の風邪薬は、自己負担率を100%にすれば良いと思います。単なる風邪なのに、市販薬より安く処方薬が手にはいる必要性はありませんから。

風邪だとわかっているなら、受診しないで欲しい

 問題は、風邪だとわかっている患者が受診している例も多そうだ、ということです。時間が十分にある高齢者が風邪に罹患した時、「薬局へ行って市販薬を買うよりも、国民健康保険を利用して診察を受けて処方薬を買った方が安い」と考えて受診する可能性があるからです。

 これは、ぜひともやめて欲しいです。金銭面で国民健康保険の負担が大きいですし、診療所の混雑によって多忙な現役世代の患者が「待ち時間が長いので、諦めた」ということにもなりかねないからです。

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