オトナの教養 週末の一冊

2018年6月14日

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本多カツヒロ (ほんだ・かつひろ)

ライター

1977年横浜生まれ。2009年よりフリーランスライターとして活動。政治、経済から社会問題まで幅広くカバーし、主に研究者や学者などのインタビュー記事を執筆。現在、日刊サイゾーなどに執筆中。ブログ:http://golazo-sala.cocolog-nifty.com/pinga/

(iStock/Chris the Composer)

 サッカーのロシアワールドカップが6月14日に開幕する。日本代表は、ヴァイド・ハリルホジッチ前監督が突如解任され、代表監督を評価する立場の技術委員長だった西野朗氏が新監督に就任するなど4年に1度の大会直前に混迷する事態となった。また、今年3月に行われたヨーロッパ遠征では、マリに1対1、ウクライナに1対2と未勝利に終わると、西野新監督就任後のガーナ戦、スイス戦でも無得点の末、2連敗を喫したが、最後のテストマッチとなった12日のパラグアイ戦は4対2と新体制後、初勝利をおさめた。ブラジルワールドカップの予選リーグ敗退以降、期待感が薄れてきた代表チームに対し、監督解任劇と直近の試合結果が輪をかけ、期待度、注目度ともに下がっているように感じる。

 しかし、開幕すれば日本代表の試合をはじめ、4年に1度の祝祭を楽しみたいものだ。そこで注目度が下がっているように感じる理由や、日本代表まで上り詰めた選手たちの「狂気」について『アホが勝ち組、利口は負け組~サッカー日本代表進化論~』(秋田書店)を上梓したサッカーライターの清水英斗氏に話を聞いた。

――今回の本は、前半部分はハリルホジッチ前監督の解任騒動についての見解、後半は取材を通して知った選手たちのある意味での「狂気」や背景といったドラマ的な部分に焦点を当てています。なぜ「狂気」に注目したのでしょうか?

清水:元となったコラムを連載していた『ヤングチャンピオン』(秋田書店)は、サッカーファンだけが読むものではなかったので、コラムの入り口をわかりやすく、日本代表の個人に設定する必要がありました。選手のキャラが立つ部分で入り口を作り、サッカーの深く面白いところへ突き進んでほしいなと考えた結果、『サッカー選手の狂気』というキーワードが自然と出てきました。

 サッカーに限ったことではないと思いますが、その世界のトップレベルで活躍する人間は、何かしらの狂気を秘めています。だからこそ、トップレベルまで上り詰めることができる。そこがすごく面白い。アスリートを見る醍醐味だと思うんです。

――現状の日本代表に目を移すと、ワールドカップ出場決定後、結果が出ず。先日のガーナ戦、スイス戦ともに無得点で破れました。そうした結果を反映してか、1998年の初のワールドカップ出場以来、もっとも盛り上がっていないように感じます。盛り上がりに欠ける理由について、どう考えていますか?

清水:栄枯盛衰。当然の現象です。競争の世界なので、かつてスターになった有名選手が、調子を落としたり、メンバーから外れたりすることはサッカーの世界ではよくあることです。その結果、話題性が落ちるのは避けようがありません。

 そもそも4年に一度だけ開催されるワールドカップという非日常的な大会の盛り上がりに、リスクも成功もすべてがかかっているとしたら、それはサッカー界にとっては不健康なことだと思います。日々のサッカー、つまり各国のリーグ戦がベースにあり、その上で祝祭としての「ワールドカップ」があります。

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