世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年6月28日

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 2018年6月12日、シンガポールで歴史的な米朝首脳会談が開催されたその日、日本では、静かに、日マレーシア首脳会談が開催されていた。マレーシアと言えば、2017年2月に金正恩委員長の兄、金正男氏が殺害された場所でもある。シンガポールの隣国でもある。そのマレーシアで最近行われた選挙で返り咲いた92歳のマハティール首相を東京に迎えての首脳会談だった。そのやりとりの一部を紹介する。

(Anup Shah/DigitalVision,Chee Siong Teh&Pinghung Chen/ EyeEm/gettyimages)

安倍総理:マレーシア総選挙での勝利を祝福する。就任後、初の外国訪問として来日されたことを嬉しく思う。マハティール首相の「ルック・イースト政策」(「東方政策」)で、日本とマレーシアの関係が発展したが、これを更に拡大、深化させたい。

マハティール首相:新政権では、日本との関係を強化して行く。自らも頻繁に訪日する。

安倍総理:「東方政策」を強化する具体的方策を議論したい。日本の技術力とマレーシア人の活力を、地域の発展に活かしたい。日立のマレーシア支社長やシルバーレーク社創業者が日本留学組であり、今後も留学生や研修生の受け入れを通じ、人材育成を促進したい。若者の交流を促進するため、高校生を日本に招聘する事業を始めたい。

マハティール首相:「東方政策」を開始した時は、日本の勤勉な文化を学ぼうとした。改めて、「東方政策」を発展させたい。

安倍総理:日本は最大の対マレーシア投資国で、マレーシアには約1400社の日系企業が進出し、34万人の雇用を創出している。また、経済分野のみならず、今後、防衛や海洋安全保障の分野でもマレーシアとの協力を促進したい。法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋地域の実現に、マレーシア始めASEAN諸国と協力を強化したい。

マハティール首相:対立や緊張は望ましくない。航行の自由を確保することが重要である。

安倍総理:核、ミサイル、拉致の包括的解決に向け、北朝鮮に具体的行動を取らせることが重要だ。

参考・外務省「日・マレーシア首脳会談」平成30年6月12日

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