オトナの教養 週末の一冊

2018年10月5日

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本多カツヒロ (ほんだ・かつひろ)

ライター

1977年横浜生まれ。2009年よりフリーランスライターとして活動。政治、経済から社会問題まで幅広くカバーし、主に研究者や学者などのインタビュー記事を執筆。現在、日刊サイゾーなどに執筆中。ブログ:http://golazo-sala.cocolog-nifty.com/pinga/

――三大慢性頭痛の他にも最近では、頭痛薬の飲み過ぎによる頭痛が増えていると聞きます。本来、頭痛を抑えるはずの頭痛薬でどうして新たな頭痛が起こるのでしょうか?

『「片頭痛」からの卒業』(坂井文彦、講談社)

坂井:頭痛が起こると仕事に支障をきたしますし、忙しい時期に起きるとなかなか病院を受診する時間もない。そうなると身近な薬である頭痛薬を飲むというのは多くの人が経験していることでしょう。ただ、それで薬が効かないと次から次へと別の薬に手が伸びたり、量が増えてしまう。ひどいケースでは予防的に飲むという人もいます。頭痛薬を飲むことが、頭痛への唯一の対処法だと決めてしまっているわけです。

 薬を飲み過ぎるほど頭痛が悪化するのは、脳のなかの頭痛を処理するメカニズム、痛みが脳へ伝わる途中で調整や調節、記憶する痛み調節系の機能が、頭痛薬を飲みすぎることで低下し、脳で痛みがコントロールされなくなり痛みが増えるのです。こうした症状は、腰痛や関節痛には見られない頭痛特有のものです。

――ということは、頭が痛くてもすぐに頭痛薬を服用するのは控えたほうが良いのでしょうか?

坂井:そこが難しいところです。痛みを我慢する必要はないですし、痛み止めの服用も1カ月に10日以内なら安全です。ただ、あまり慢性化し、月の半分以上も飲むようになると「薬物乱用頭痛」の危険信号です。

――三大慢性頭痛や頭痛薬の飲み過ぎによる頭痛は、どのような治療が主流なのでしょうか?

坂井:最近よく言われる「エビデンスに基づいた治療」がメインになります。投薬もしますし、認知行動療法やカウンセリング、ヨガなども取り入れています。痛み調節系やセロトニンを活性化し、脳に良い信号を送ることが大事です。

 具体的に片頭痛の治療では、痛み止めではなく、拡張した血管を元に収縮させて片頭痛のメカニズムを治す薬を処方します。他にも痛み調節系やセロトニンを活性化する薬も使いますね。

 ただ、一番重要なのは、まずは患者さんご自身がどんな時に、どれくらいの頻度で、どんな痛みなのかをしっかりと整理し把握していただくことです。

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