定年バックパッカー海外放浪記

2018年10月7日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年生まれの62歳。横浜生まれ、神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

(2017.11.4~2018.1.10) 68日間 総費用33万9000円〈航空券含む〉)

初っ端から氷雨と逆風という“アゲンスト”

 11月6日。9時過ぎにシドニー中心部のチャイナガーデン近くのゲストハウスを出発。前日からの冷たい雨が降りしきるなかを百円ショップで購入したビニールの雨合羽の上下を着込んで出発。テント、寝袋、エアーマット、防寒具、着替え、工具、スペアパーツ、予備のチューブ、ポンプなど20キロ超の荷物を折り畳み自転車のフロントとリアの荷台に満載。流石にペダルが重い。

シドニー北方のセントラル・コーストでは海岸線が入り組んでいるのでフェリーボートで対岸に渡るのが近道である

 まずはシドニー湾を跨ぐ名物『シドニー・ハーバーブリッジ』を目指す。ダーリング・ハーバーを左に見ながら雨の中ダラダラ坂をゆるやかに上ってゆく。荷物が重いので市街地の道路でもちょっとした坂道になるとペダルを漕いで進めない。後輪に7段ギヤがあるだけの「市街地通勤用折り畳み自転車」(city commuter folding bike)なので荷物を満載して長距離走行する仕様になっていないのだ。しかたなく降りて自転車を押して歩く。こうして「ペダルを漕いで走る」&「自転車を押して坂道を登る」を繰り返すことになった。

シドニー近郊のマンリーのビーチ。肌寒い曇り空でもサーフィンするオージー

 シドニーからゴールド・コースト、ブリスベンまで幹線道路を一直線に走っても1000キロ以上の長丁場である。海岸沿いの風光明媚なコースを寄り道しながら走れば1200キロ以上となる。地図で見る限り、基本的には右手にオーストラリア大陸の東海岸線を見ながら一路北上するというコースである。

 ハンドルの上に固定した小型のジャイロコンパス(100円ショップで購入)も出発直後からほぼ真北を指している。ハーバーブリッジに至るまで、常に向かい風に悩まされた。さらにハーバーブリッジを渡り始めるとかなり強い北風が間断なく吹き付けていた。この後、ゴールド・コーストまで24日間、ほぼ毎日一度は雨に降られ、そして走行している時間の90%は向い風(北風)に悩まされることになった。

海辺の町ではペリカンと共生している

迷ったらグーグルマップよりローカルに聞け

 ベイブリッジを渡り、シドニー郊外の住宅街に入った。マンリー(Manly)の海岸に到達するためのルートをグーグルマップで検索。最短の自動車用ルートが表示される。これでは幹線道路ばかりを走ることになってしまう。景色が良くて交通量の少ない安全なルートはないのだろうか。思案しながら自転車を押して登っていたところ、ジョギング中のブロンズで長身の典型的なオージー美人が声を掛けてきた。

 彼女は近くに住んでおり、日本に2年間滞在したという親日家で片言の日本語を話した。今も日本人留学生が彼女の家にホームステイしているようだ。彼女によると幹線道路と並行してサイクリング道路があり、高低差が少なく走りやすいようだ。

 快適なサイクリング道路を小一時間走っているうちに、雨が上がり晴れ間が出て、一気に初夏の陽気となった。

幹線道路を離れて海岸線の自転車専用道を走る。整備された専用道は人影もなくお一人様で独占状態という贅沢さ

ゲストハウスを断念、キャンプサイトを求めてルートA8を北上

 シドニー・ハーバーブリッジから約2時間でマンリー・オーシャンビーチに到達。シドニーから近いからだろうか、やたらと中国人観光客が目立つ。海岸沿いにホテルやゲストハウスが点在。ゲストハウスは二段ベッドの大部屋でも最低一泊50豪ドル(≒4000円、1豪ドル≒80円)という相場であった。たまらずマンリーでの宿泊を見送った。

 マンリーから海岸沿いのルートA8をさらに2時間北上。ナラビーン(Narrabeen)という別荘が立ち並ぶ小さな町に到着。コールズ(Coles)というスーパーで食料品&ワインを調達。パン、チーズ、ソーセージは日本より20~30%くらい安い。国産のワインが一本300~400円程度であった。ビールは比較的高くて350MLが一本250円くらい。

 ちなみにColesはオーストラリア全土で展開しているオーストラリア資本の大手スーパーである。他に米国系のウールワース(Woolworths)、ケーマート(Kmart)も全国展開している。

「湖畔の公園でキャンプしたら快適だよ」

入り江の公園でグリルド・チキン&フレンチフライでランチ

 ナラビーンの町で海沿いの公園などをチェック。あいにく海風が強く、しかも夜半に雨が降るという天気予報なのでビーチ近くでのキャンプを断念。キャンピングサイトを探していると「For Sale」と看板の出ている空き家の別荘を発見。芝生の庭で建物の陰でキャンプしたら海風が防げると判断。

 隣家でホームパーティーをしていたので主人と思われる同年代のオジサンに声を掛けて「今晩、隣の空き家の芝生でキャンプしたいけど構わないか?」と聞くと破顔一笑して快諾。彼の息子一家が遊びに来ていて二人の孫と遊んでいたとのこと。

 テントを張る位置を検討していたら、隣家の主人の息子が出てきて近くの湖畔の公園で野営することを勧めてくれた。水もトイレもありバーベキュー施設も完備しているという。しかも公園施設の屋根の下であれば風雨を防げるようだ。こうしてナラビーン湖畔の公園で初めてのテント泊をすることになった。

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