前向きに読み解く経済の裏側

2019年2月25日

»著者プロフィール
閉じる

塚崎公義 (つかさき きみよし)

久留米大学商学部教授

1981年、東京大学法学部卒業後、日本興業銀行(現みずほ銀行)に入行。主に調査関連部署に勤務した後、2005年に銀行を退行して久留米大学へ。著書に『増補改訂 よくわかる日本経済入門』(朝日新書)、『老後破産しないためのお金の教科書』(東洋経済新報社)、『世界でいちばんやさしくて役立つ経済の教科書』(宝島社)、『なんだ、そうなのか! 経済入門』(日本経済新聞出版社)など多数。

老後資産の研修もぜひ

 50歳前後の社員(および、その配偶者)を集めて、老後資金の研修を行うことも、要検討です。老後の生活については夫婦で考えて決めていかなければならない事ですから、可能であれば夫婦で情報を共有する、という趣旨で配偶者も招こう、というわけです。

 公的年金制度の基本的な知識、我が社の平均的な社員は年金をいくら受け取れるのか、という目安、我が社の退職金額の目安、企業年金制度の有無、等々について、社員に大まかなイメージを持ってもらい、夫婦で話し合う契機を作ってあげましょう。

 社員たちが「懸命に働いて、仕事の事は熟知しているが、自分の老後資産の事は全く知らずに退職日を迎え、退職金を手にして途方に暮れ、退職金を狙って群がってくる業者たちの言いなりになる」のでは悲しいですからね。

 たとえば、退職金は「退職日に支給される御褒美」ではなく、「毎月の給料から会社が天引き貯金しておいた社内預金が退職日に満期になるもの」と考えてもらいましょう。

 「皆さんは、銀行預金のほか、社内預金も持っていると考えて結構ですよ」と言っておくことで、50代社員の資産運用の姿勢も変わるでしょうし、彼等が退職金支給日に気分が舞い上がってしまうリスクも減るでしょう。

 公的年金に関する基礎知識も重要です。何と言っても公的年金はサラリーマンの老後の生活資金の最重要部分ですから、しっかりと理解してもらいましょう。「普通のサラリーマンは公的年金だけで最低限の生活はできる」という事を理解するだけでも、従業員の安心感は大きく異なるはずです。

サラリーマンは会社に問い合わせよう

 以上は、会社の経営者や人事担当者に向けて記したものですが、個々のサラリーマンは、会社が情報をくれなければ自分で会社に問い合わせてみましょう。退職金がどれくらい受け取れそうか、企業年金はどうか、といった事がわかっていると、老後に対する心構えができますから。

 今回は、以上です。

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

関連記事

新着記事

»もっと見る