WEDGE REPORT

2019年6月10日

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異例の撮影シフトを強行

 同局は試合前から途中出場でのA代表デビューが確実視されていた久保の一挙一動を追うため、ベンチ付近に〝久保カメラ〟を設置。同局のスマホ専用アプリでは「マルチアングルライブ」としてテレビ中継とは別に、ユーザーがベンチにいる久保の様子だけを常にチェック出来るように異例の撮影シフトを強行した。

 過去の日本代表でもカズや中田英寿、本田圭佑ら歴代のスーパースターたちが専用カメラでフォーカスされるケースはあったにせよ、本格デビュー前の18歳に照準が定められたことは過去をさかのぼっても例がない。

 果たして同局はこの〝久保カメラ〟の試みを成功ととらえているのだろうか。ちなみに久保は試合後「ベンチにばかりカメラがあって気まずかったですけど」と口にしながらも、その後は「デビュー出来たので良かったです」と白い歯をのぞかせている。18歳とは思えない、落ち着き払った大人の対応に我々メディアも救われた気分になった。

 確かにこれは一部報道にもあったような「苦言」とまではいかなかったにしても、久保本人の言葉の節々から察するに内心で困惑していたのは想像に難くない。炎上したネット上の反応を見てもTBSのカメラワークに関して、

「ピッチで試合が動いている状況にもかかわらず、久保を映し出すのはおかしい」
「まるで森保ジャパンが久保のチームみたいになっている」

 などといった辛らつなコメントも含め批判ばかりが散見された。その〝被害者〟となった久保には大半が同情的な声を向け、今後のフィーバーの過熱ぶりを懸念していたことはTBSも肝に銘じておくべきであろう。

 同局のテレビ中継を見ていたという複数のJFA(日本サッカー協会)関係者も「今回ばかりは、ちょっと『久保、久保』で推し過ぎだったと見られても仕方がない」と苦虫を噛み潰す表情を浮かべていた。

 実際に中継を見ても番組中にアナウンサーが、まだ本人がベンチにいる段階にもかかわらず「久保」の名前を連呼し、テロップを出しながら再三に渡って煽り続けていた。まるで「アイドルじゃないんだから」と突っ込みをいれたくなるほど中継内では久保に対して入れ込んでいた。番組スポンサーへの〝忖度〟なのか、それともサッカーに興味のない視聴者層も意識し過ぎるが余りに「久保」にこだわっていたからなのか――。

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