2024年4月26日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年1月15日

 その中で、一応の説得力のある説明は、第18回党大会を控えて、軍の支持を得るため、あるいは、ナショナリズムに訴えることが有利であり、政治家がお互いに、強硬な発言を競い合っているという、分析でした。

 ということは、党大会後の情勢は変わるかもしれず注目を要するということでしたが、どうも、強硬姿勢は続きそうな形勢です。

 権力が固まったあとは、改革思考あるいは柔軟姿勢が見られるかもしれないという期待もありましたが、今のところその兆候は見受けられません。いったん改革を始めるとゴルバチョフのように体制そのものが崩れるのを恐れて、改革はしないのかもしれません。習近平も含めて指導層の親族が全て外国の居住権を取得して、いざと言う場合の亡命にも備えていると思われる状況では、改革などは望むべくもないでしょう。

 ただ、中国とその軍部の長期的目標は、疑いの余地のないもので、それを着々と実行しているだけだと判断することもできます。もしそうならば、事態に対処する唯一の方法は、米国およびその同盟国による断固たる措置だけであり、多少の宥和姿勢を示しても何の効果もないということになります。

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