2024年4月27日(土)

安保激変

2013年2月7日

 彼らの指摘どおり、予算強制削減が発動される、あるいは財政再建に向けた話し合いの中で、現在合意されている「今後5年間で487億ドルの予算削減」を上回る額の予算が削減されることになるとどうなるのか。まず、昨年1月に発表された「戦略指針ガイダンス(Defense Strategic Guidance)」の見直しが余儀なくされることはほぼ確実になる。それに伴い、現在、米軍の運用構想の中核にある「統合運用アクセス構想(Joint Operational Access Concept, JOAC)」や2010年の4年毎国防見直し(QDR)で初めて公式に言及されたことで日本でも広く知られるようになった「エア・シー・バトル」構想にも何らかの影響が及ぶだろう。

 実は、国防省の中ではそのような検討がすでに始まっている。国防省はQDRの見直しを2014年までを目途に行うことになっているが、その際の議論では「DSGが打ち出した構想をいかに、予算が圧縮されていく環境のなかで実現するか」「兵器開発などの投資に際しての優先順位は何か」が大きな議論の焦点になるであろうといわれている。当然、「中東・アジア太平洋への戦力再配置」についても、より少ない予算でどのように実行するかが議論されることになるだろう。また、その際に「いかに同盟国に応分の負担をしてもらうか」が議論されるであろうことは容易に想像がつく。

 このような中で米国は同盟国である日本にどのような形での協力を求めてくるのか。アメリカの出方を見誤らないためにも、今から米国内での議論を注視していく必要があるだろう。

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