世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年6月26日

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 中国は新彊やチベットでの抗議デモや暴力行為をテロとみなしているので、将来そのような行動を鎮圧するため無人機を使うかもしれない。使えば中国のイメージは悪くなるだろうが、中国の指導者にとって国内の安定が最優先である。

 その他、中国軍内の通信の支援や、電子戦の場合に敵の電子通信を傍受し、敵のシステムをかく乱するための使用が考えられるが、全体として中国は無人機の使用に慎重である。慎重さというのは、米国が、自身の無人機計画を実施する際に念頭に置くべきであろう、と述べています。

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 中国が無人機の開発に全力を挙げていることは間違いありません。無人機の使用目的は潜在的に多岐にわたり、これから中国はあらゆる可能性を探っていくでしょう。

 論説は、中国は無人機の使用に慎重であると言っていますが、それは、あくまでも当面のことであり、将来にわたって慎重であるとは限りません。米国の場合、米国の安全保障に脅威を与えうるテロリストを無人機による攻撃の対象とするケースが多いですが、今のところ中国には類似の対象がないというだけに過ぎません。論説自身も指摘しているように、新疆やチベットのデモをテロと位置付ける可能性は十分考えられます。

 さらに、現に、尖閣での写真撮影に無人機を使用しています。無人機の使用は偵察目的に限るとのことですが、無人機を使うことは、偵察の敷居を下げることになり、偵察活動を活発化させることに繋がります。中国の無人機の能力についても過小評価すべきではありません。

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