WEDGE REPORT

2014年1月20日

日本におけるベンチャー企業に対してのイメージといえば、「一発狙い」「変わり者」「拝金主義者」……、などあまり良くはなかった。だが、今そうしたイメージを払拭する起業家たちが続々と誕生している。ビジネスとして成功することに汗をかくだけではなく、各々の起業家自身が「世の中の課題」を設定し、それを解決するために努力している。ベンチャー企業などへの取材から通じて見えてきたのは、課題解決に向けた5つの方策だ。さらに、米国をはじめ世界と比較して日本のベンチャー市場が抱える課題にも迫った。(この記事は、WEDGE2月号特集の一部を抜粋したものです)

方策1:商流改革
◎衣料品のネット販売=ライフスタイルアクセント
◎宝飾品のフェアトレード=ハスナ

工場のためのブランド Factelier

 「作り手と使い手をつなぐのが僕の仕事」。ファクトリー(工場)ブランドによる衣料品のインターネット販売を行うライフスタイルアクセント(東京都港区)社長の山田敏夫(31)には、日本の縫製業がなくなってしまうという危機感がある。

ライフスタイルアクセント・山田敏夫(31) (敬称略、以下同)

 経済産業省によれば1990年に「Made in Japan」の衣料品は約50%あったが、2009年には4%台にまで落ち込んだ。縫製業は典型的な労働集約型産業で、コスト競争が激しい。日本の縫製工場に仕事を依頼していた商社も安い労働力を求めて中国をはじめ、バングラデシュ、ミャンマーにまで進出を進めてきた。結果として日本製の衣料品、工場は激減した。

 「競争社会だから仕方ないという見方もある。でも、それではあまりにもったいない」。日本には世界のトップブランドが生産を委託する縫製工場がいくつもあり、「日本の縫製業の技術力は世界に認められている」。山田の実家は熊本で婦人洋服店を営む。幼いころから衣料品やファッションに親しんできたこともあり、そうした思いを持ち続けていた。

 中央大学に進み、大学3年時に交換留学生としてフランスに渡った。パリに到着した当日掏摸(スリ)に遭い、パスポートと全ての現金を失った。そのために大学の寮に入ることも許可されず、大学関係者の親戚の家に預けられることとなった。

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