2024年4月27日(土)

ビジネスパーソンのためのエンタメ業界入門

2014年4月9日

・プレイリストをつくる楽しみ。

 40代以上の方は、女の子とのドライブデートのために、自分で選んだ曲をカセットテープやMDに録音した経験がある方は多いのでないでしょうか? もっとずっとずっと簡単に、プレイリストをつくり、様々なシチュエーションで、友人知人に披露することができます。

 ホームパーティで、ドライブで、好きな曲を選んで、順番を考えて、あなただけのプレイリストをつくる楽しみが広がることでしょう。

・アーティストと繋がる

 これからのアーティストはソーシャルメデイアでファンとコミュニケーションをとることが必要な時代になってきます。ソーシャルメディア上に存在しているということは、直接、アーティストと対話できる可能性があることを意味します。

 好きなアーティストの楽曲をベースにプレイリストをつくって、アーティスト本人が「いいね!」してくれたら、ファンにとっては、大きな喜びになることでしょう。

 音楽ストリーミングサービスは、音楽を身近にし、音楽に関する会話を生み、音楽ファンを増やし、結果、音楽シーンを活性化する効果があるのです。

 前述の通り、Spoptifyでは売上の約2/3が、レーベルやアーティスト、作曲家側に分配されますので、音楽業界にも大きな利益をもたらします。

日本ではパッケージ市場が健在

・日本ならではの好影響

 日本の場合は、ダウンロード型の音楽配信市場が小さいので、ストリーミングに移り変わることでのダメージは少なく済みます。一方で、パッケージ市場は健在です。自分の好きなアーティストのCDやDVDをコレクションしようとする欲望は、ストリーミングでの音楽体験とはレイヤーの違う、異質なものですから、パッケージ市場へのマイナスは軽微です。新たな音楽への出会い、関心が増えることのプラスの方が大きいと私は予測しています。

 しかも、日本ではCD店が健在です。海外ではなくなってしまったCD専門のチェーン店が、日本では4つも残っています。タワーレコード、HMV、TSUTAYA、新星堂、他にも山野楽器や、京都のJEUGIYAなどの老舗店舗があります。販売網が残っているの意義は非常に大きいのです。マーケティング用語として、O2O(オンライントゥオフライン)がキーワードになっています。ネットとリアルをどう連動させていくのか、音楽業界が一つの解を導き出すかもしれません。ストリーミングサービスと店舗の連携は、音楽市場の活性化に有益でしょう。


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