2013年の音楽業界売上は、統計データは、まだ正式に出ていませんが、寂しい数字になりそうです。昨年は8%増だったパッケージ(CDなど)売上が10%強の減で、一昨年を下回ることが確定的です。音楽配信も23%減となっています。
以前、本連載の「ガラパゴス化する日本の音楽ビジネス〜CDが売れ、iTunes Storeが普及しない理由」の回でも触れましたが、これまでの日本の音楽配信は、フューチャーフォン(いわゆるガラケー)向けの「着うた」サービスが主流で、iTunesなどのインターネット配信のシェアは10%程度でした。9割を占めた着うた市場の大幅減を、スマホ向けサービスの増加では補えないという状態が続いています。
●2013年の有料音楽配信売上額は前年比77%、定額制は518%と急伸。RIAJ発表http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20140224_636730.html
iTunes StoreからSpotifyへ
海外市場に目を向けてみましょう。2013年は大きな節目となりました。米国市場で、月額課金型ストリーミングサービスの売上が成長する中で、ダウンロード売上が微減しました。端的な言い方をすると、音楽配信サービスの主役がiTunes StoreからSpotifyに交替するということです。既に想定されていましたが予想以上に早く、数字にも現れてきました。
もう一つ、エポックといえるニュースがありました。世界の4割のシェアを持つNO.1レコード会社、ユニバーサルミュージックの売上比率で、デジタル配信がパッケージ売上額を上回ったとの発表がありました。もちろん音楽ビジネス史上初めてのことです。
●ユニバーサルミュージック、2013年度に初めてデジタル音楽売上がCD売上を上回る〜音楽ストリーミング売上は75%増
http://jaykogami.com/2014/02/6331.html
音楽流通の主役となったSpotify。準備が整い次第、日本サービスも開始とのことで、近年、注目を集めています。Spotifyのサービスについて、改めてポイントをおさらいしましょう。