2024年4月26日(金)

不況を生き抜く管理会計

2009年7月3日

 さて、これからの日本経済、それから世界経済はどうなっていくのだろう?もし仮に世界経済が再び上向いていくのならば、自動車や電機は再び量産効果サイクルに乗って復活していくかもしれない。でも、もし世界経済の復活に時間が掛かるとしたら・・・・?それから日本の需要がこれからずっと低迷するとしたら・・・・?

逆転の値上げ発想の必要性

 そろそろ需要の拡大や景気の回復を「祈る」だけの受け身な姿勢はやめたほうがいいと思う。景気がよくなればもちろんそれはそれでよし。これまでのやり方を継続していけばいいだけの話だ。

 問題は、量産効果が効かないような不景気がやってきた場合だ。そろそろこれに備えて発想の転換が必要になってきている気がする。とくに輸出に頼れないような国内向け事業は真剣に考え始めたほうがいいだろう。

 求められているのは量産効果の逆の発想・・・つまりは値上げ戦略だ。たくさん売ってコストを下げる発想が景気のいい時代向きなら、景気の悪くなる時代には逆に考えればいい。少なく売ってキッチリ儲ける値上げの発想。単価(P)×数量(Q)で単価を上げて利益率を高めることによって、数量が少なくても利益が出るようにする戦略だ。世間ではブランド戦略と呼ばれることもある。

 街を見渡してみよう。表通りのマクドナルドが100円でハンバーガーを売っている、その裏の通りで、モスバーガーが310円のハンバーガーを売っていることにお気づきですか?またホテルでも低価格と高価格に極端な二分化が起こっている。

 このように、これまで値下げ一辺倒だった世の中にも、少しずつ高価格戦略が登場しはじめている。次回から、こうした低価格vs高価格の比較をさまざまなビジネスごとに行っていく予定です。

 乞うご期待!

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