2024年6月24日(月)

不況を生き抜く管理会計

2009年7月3日

 たとえば本屋さんに専門書を買いにいったとき、あまりの値段の高さにビックリした経験はないだろうか?たとえばフランス語とかイタリア語の参考書は薄いものでも1万円近い値段であることが少なくない。なぜこんなに高いのだろう?

 ---それは、専門書というのは「あまり部数が売れない」からだ。

 モノの値段は基本的に「売価=コスト+利益」で決まる。ここでコストは変動費と固定費に分けられるから、「売価=変動費+固定費+利益」となる。

 ここで問題は「固定費」の部分だ。本を作るコストにも変動費と固定費がある。変動費は紙代のように制作数に比例してかかるコスト。固定費は制作数に関係なく一定金額かかるコストだ。編集者の人件費などは固定費の典型例。1冊の売価を決めるためには、1冊あたりの変動費と1冊当たりの固定費が決まっていなければならないが、「1冊当たりの固定費」は部数の少ない本ほど高くなることはお分かりだろう。

 ・・・かくしてたくさん売れる本は安く、あまり売れない本は高いという価格設定が成立するわけだ。

人気のハイブリッドカー、成功の秘訣

 自動車産業や電機産業では工場へ多額の設備投資を行っている。これによって大きな固定費を抱えている。そうすると先ほどの本と同じ理屈が成立する。たくさん売ることができれば「1個あたりの固定費」が安くなり、あまり売れないと「1個あたりの固定費」が高くなってしまう。

 だからこそ、自動車でも家電でも会社はたくさん売ろうとするわけだ。たくさん売れば売るほど「1個あたりのコスト」が小さくなり、安い売価をつけることができるからだ。

 最近、プリウスやインサイトなどハイブリッドカーが人気らしい。人気の秘訣は低価格だ。会社からみれば、お客さんがたくさん買ってくれればくれるほど、安い価格で提供できる。一方、来年から電気自動車の一般消費者向け販売が始まるらしいが、最初はすごく高い値段であまり人気にならないだろう。最初はあまり売れないから1台当たりのコストが高くなって、安い価格設定ができないのだ。


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