パレスチナ・ガザ地区南部で8日、イスラエル軍の空爆があり、少なくとも19人のパレスチナ人が殺害された。現地保健当局が発表した。死者のうち8人は子どもだったとされる。
保健当局などによると、ガザ南部アル・マワシでは避難者のテントが直撃を受け、母親と子ども4人が殺害された。近くの都市ハンユニスでも、夫婦と子ども複数人が死亡したという。
イスラエル軍は、イスラム組織ハマスの戦闘員を狙った空爆を数カ所で実施したと発表した。
一方、ガザ中部と北部でも、空爆で死者が出たとの報告が出ている。
ハマス運営の民間防衛隊によると、北部ガザ市では、空爆を受けた住宅2棟から赤ちゃん1人を含む少なくとも6人の遺体が収容された。
医療関係者の話では、中部の町デイル・アル・バラフで3人が、近くのブレイジ難民キャンプでは幼児1人が、それぞれ殺害された。
これらの空爆について、イスラエル軍はすぐにはコメントしていない。
ハマスが運営するガザ保健当局は、24時間のうちにガザ全域で計51人が殺害されたとしている。
保健当局はまた、南部の病院で発電機に使う燃料が必要だとする緊急アピールを出した。発電機は数時間で機能しなくなり、患者数百人の命が危険にさらされると訴えた。
停戦に向けた協議続く
こうしたなか、カタールでは停戦と人質解放に関する間接的な協議が続いている。ドナルド・トランプ次期米大統領の中東特使のスティーヴン・ウィトコフ氏は、「多くの進展」があったと述べた。
ウィトコフ氏は7日に米フロリダ州であった記者会見で、カタール、エジプト、アメリカの当局者が仲介する協議に参加するためカタールの首都ドーハに向かうとし、「(新大統領の)就任までに、大統領の代わりにいい発表ができると期待している」と述べていた。
トランプ氏は、大統領に就任する1月20日までに、ハマスが今も人質にしている100人を解放しなければ「中東で大混乱が起こるだろう」とあらためて脅した。
ハマスとイスラエルは互いに、停戦合意への進展を妨害しているのは相手側だと非難している。
ハマスによる2023年10月7日のイスラエル襲撃では約1200人が殺害され、251人が人質に取られた。これを受け、イスラエルはガザ地区でハマスの壊滅作戦を開始した。
これにより、ガザではこれまでに4万5930人以上が殺害されたと、ガザ保健当局は発表している。
(英語記事 Israeli strikes kills 19 in southern Gaza, health officials say)