「iPhone 6」発売で
見え隠れする“終わりの始まり”


Wedge編集部

WEDGE REPORT

ビジネスの現場で日々発生しているファクトを、時間軸の長い視点で深く掘り下げて、日本の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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iPhone6の発売に伴い、携帯キャリア各社は激しいつばぜり合いを繰り広げているが、「アップルの手のひらの上で踊らされているだけ」と冷めた声も多く聞かれる。そんなアップルにも手詰まり感が表れている。

 携帯電話業界はここ数年来、9月下旬の時期にピリピリした独特の雰囲気に包まれる。毎年この時期に、「iPhone」の新製品が発売されるからだ。

 MM総研の調べによると、2013年度に国内で出荷された携帯電話端末の総数3941万台のうち、実に4割弱の1443万台がiPhoneである。携帯各社にとって、新iPhoneをいかに売るのかが、その年の販売戦略の最重点課題となるわけだ。その背景には、アップルがキャリア各社に課した重い販売ノルマがあるとも言われる。

 端末で差別化できない携帯各社は、必然的にiPhone向けの特別料金プランやキャンペーン、さらにはネットワークのアピールなどで激しく競い合う。

 そんな携帯各社のつばぜり合いは、もはやユーザー不在の域に達しており、今年も繰り返された。予約開始の9月12日午後4時の直前になっても、携帯3社は本体価格やiPhone6向けキャンペーンの詳細を明らかにしなかったからだ。

 特に酷い対応を見せたのがNTTドコモ。予約開始日となる9月12日に間に合わず、2日遅れとなる連休中の9月14日にiPhone6の本体価格とキャンペーンを発表した。本体価格が10万円近くする端末を、その価格を発表せずに予約を開始するとは、あまりにもユーザーを軽視した対応ではないか。

 ドコモはここで、他社iPhoneユーザーを狙い撃ちにして販売価格を最大4万3200円値引く、破格の端末下取りキャンペーンを打ち出した。総務省が不健全な高額キャッシュバックを問題視したこともあり、14年度前半は携帯各社による高額キャッシュバックが控えめになった。このキャンペーンは、下取りの名を借りた事実上の高額キャッシュバックの復活に他ならない。

 自社ユーザー向けの端末下取りキャンペーンを展開していたソフトバンクモバイルとKDDIは、即座にドコモのキャンペーンに追随。その結果、iPhone6の発売直前には、端末価格から通信サービス料金、高額な下取りキャンペーン施策を含めて、3社がほとんど横並びという事態となった。

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