今月の旅指南

2015年8月21日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 奈良公園にある猿沢池のほとりには、昔、帝の心変わりを嘆いて池に身を投げたという采女(うねめ)(後宮で給仕をする女官)の霊を祀った采女神社が立つ。毎年中秋の名月の日には、宮廷文化を偲ばせる例祭「采女祭」が催される。

ライトアップされた興福寺の五重塔を背景に、 池を巡る管絃船 
奈良市観光協会=写真提供

 「采女祭は、今から約600年前の室町時代に起源を持つ祭礼が基となっており、昭和27年(1952)に花扇(はなおうぎ)奉納神事と管絃船(かんげんせん)の儀が加わりました。昭和46年には、采女にまつわる伝承が残る福島県郡山市と奈良市が姉妹都市となり、さらに花扇奉納行列も実施されるようになりました」と、奈良市観光協会の嶋田純子さん。

 祭りの当日、17時に采女神社に向けて奈良駅前を花扇奉納行列が出発する。秋の七草で作られた、約2メートルの高さの花扇を中心に、十二単姿の花扇使(つかい)や稚児(ちご)たちなど、総勢200人ほどが王朝絵巻さながらに商店街を練り歩き、1時間ほどかけて進んでいく。

 采女神社での神事に続き、19時ごろ猿沢池において管絃船の儀がスタートする。龍頭(りゅうとう)と鷁巣(げきす)の2隻の管絃船が雅楽を奏でながら、流し灯籠の間をぬって池を巡った後、池に花扇を投じて采女の霊をなぐさめる。

 なお、采女祭前の3日間(9月24~26日)、管絃船で猿沢池を巡るイベントも実施され、乗船体験ができる。

采女祭
<開催日>2015年9月27日
<会場>奈良市・奈良公園猿沢池など(奈良線奈良駅下車)
<問>采女祭保存会☎0742(22)3900
http://narashikanko.or.jp/event/index.php?m=d&id=107

*情報は2015年7月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2015年9月号より

 

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