ビジネス会が作る新しい絆
~盛り上がる異業種交流会と研修ビジネス(後編)


にらさわあきこ (にらさわ・あきこ)  文筆家

NHKディレクターとして海外紀行番組や人気スタジオ番組などを多数手がけた後、文筆業に。幸せな生き方を追求して、取材・執筆活動を行う。本サイトでの連載に加筆修正のうえ、書き下ろし原稿を加えた『未婚当然時代~シングルたちの絆のゆくえ』(ポプラ新書)のほか、500人の男女を取材して書いた『必ず結婚できる45のルール』(マガジンハウス)や、婚活する女性たちの姿を描いた『婚活難民』(光文社)、『婚活に疲れたあなたへ』(マガジンハウス)、『婚活の神様!』(幻冬舎)など著書多数。丁寧に心情に迫る取材姿勢に、定評がある。http://www.nirasawa-akiko.com/

未婚大国ニッポン~“絆”のゆくえ 「まだシングル、ずっとシングル」

毎年上がり続ける未婚率。2010年の国勢調査では、30代後半男性の35.6%、女性の23.1%が未婚で、50歳の時点で結婚していない人の割合を示す“生涯未婚率”は、男性が20.1%、女性が10.6%だった。このまま未婚者たちが増え続ければ、今後、私たちは「人口の半分近くが未婚」という未知の時代を迎えてしまうかもしれない。

このシリーズでは、未婚者たちにインタビューをすることで、未婚者が増えた背景を探ると共に、結婚したい未婚者たちが今後結婚をするためには、「誰がどんなことを行えばいいのか」、また、「結婚に縛られない“絆”にはどのようなものがありうるのか」などのヒントを探ってゆく。

 

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ビジネス系の交流会はどんな“絆”を作るのか――?

 毎週の参加義務があるビジネス会に招かれた私は、参加者たちの結束力に感じ入ったものの、一方で自分のビジネスがうまくいかなくなったときはどうなるかという疑問を持った。

 また1日5万円の勉強会では、参加者同士が顔見知りで、親しげな様子に目を見張った。

 

“家族的な”師弟関係

 

iStock

 勉強会を終えた夜。

 遅い時間になって、私のパソコンに一通のメールが入った。

 勉強会の講師からの「講義のまとめ」と「参考URL」「参加者へのメッセージ」だった。

 「困ったらいつでも相談してください。自分の講義を受けられた方は、一生面倒を見ます」といったような内容が、彼自身の温かい言葉でつづられていた。

 講師からのメッセージは、その後も定期的に配信されたのだが、個々人のメールアドレスに来るのではなくて、SNSの“勉強会コミュニティ”に配信されるという細やかさで、必要と感じた人が必要なときに見ればいいという押しつけがましさのないスタンスだった。

 さらに、目標を達成するためには、「講義で勉強したことを実践するかどうかが大事」ということで、その後は無料のフォローアップセミナーが、3カ月3度に渡りおこなわれ、スケジュールの合う面々は、いくつかの会に参加した。

 私もさらに2回参加して、顔見知りになった人たちと何度か時間を共有しあった。

 

お金が介在することの意味

 

 この会に参加するまでは、「お金が介在する関係は、利害が生まれやすいので、人と人を結び付けるのは難しいのではないか」とも思っていた。 

iStock

 実際、不特定の社会人の男女に、「ビジネス勉強会や異業種交流会についてどう思うか?」とインタビューして回ったところ、「支払いの生じない参加者だけの勉強会なら、絆は深まる気がする」とか、「サークルや無料の勉強会の方が、利害がなくていい」という声がやはり多く聞かれた。

 しかし、今回紹介した以外にもいくつかのビジネス交流会や勉強会に参加して私は、「お金を払うからこそ生まれる絆もある」ことに気づかされた。

 お金が介在するからこそ、必死になったり、強制力が生まれることはある。すると強制力が生まれるからこそ、共有する時間は必然的に長くなり、結果的に参加者同士の関係が深まりやすい……という側面がまずある。

 

波及する力を持っている

 

 もう一つは、少しロマンチックな話になるのだが、これらはそもそもビジネスを目的とした交流会や勉強会なので、ビジネスの本質を考えれば、お金が介在するからこそ「波及する可能性がある」と、参加者自身が無意識にでも考えているかもしれないと思ったのだ。

 つまり、「ビジネスとは、結局は世のため人のためになるものを生み出すものだ」と私は考えているので、そういうような目的で交流会や勉強会に参加する人が、よい具合に化学反応していけば、世の中のためになる“なんらかの価値”が生まれ、その価値が広がっていくまでには、お金の存在が役立つという意味だ。ゆえに、参加者は「真剣にビジネスをしたい人ほどお金を払うことに躊躇が少ない」……とでもいえばいいだろうか。

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「未婚大国ニッポン~“絆”のゆくえ 「まだシングル、ずっとシングル」」

著者

にらさわあきこ(にらさわ・あきこ)

文筆家

NHKディレクターとして海外紀行番組や人気スタジオ番組などを多数手がけた後、文筆業に。幸せな生き方を追求して、取材・執筆活動を行う。本サイトでの連載に加筆修正のうえ、書き下ろし原稿を加えた『未婚当然時代~シングルたちの絆のゆくえ』(ポプラ新書)のほか、500人の男女を取材して書いた『必ず結婚できる45のルール』(マガジンハウス)や、婚活する女性たちの姿を描いた『婚活難民』(光文社)、『婚活に疲れたあなたへ』(マガジンハウス)、『婚活の神様!』(幻冬舎)など著書多数。丁寧に心情に迫る取材姿勢に、定評がある。http://www.nirasawa-akiko.com/

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