WEDGE REPORT

2016年3月12日

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勝村久司 (かつむら・ひさし)

高等学校地学教諭、元厚生労働省医療安全対策検討WG委員

1961年生まれ。京都教育大学理学科卒業。高等学校地学教諭。1990年、陣痛促進剤による被害で長女を失い、医療事故や薬害などの市民運動に取り組む。厚生労働省の中央社会保険医療協議会や日本医療機能評価機構の産科医療補償制度再発防止委員会などの委員を歴任。2015年8月より群馬大学附属病院で腹腔鏡等で死亡事故が相次いだ事件の医療事故調査委員に就任。著書に『ぼくの星の王子さまへ』(幻冬舎文庫)、共著書に『どうなる!どうする?医療事故調査制度』(さいろ社)など。

 本稿は下記の続編であるので、まだ読まれていない方は、先にお読みいただきたい。「都立高校入試でまた出題ミス 理科教員の地学離れは深刻」(3月5日配信)。

全く動こうとしない都教委は天動説論者と同じか?(iStock)

全く動こうとしない都教委

 前稿が掲載されてから、約1週間が経つ。この間も、多くの教育関係者や専門家らが、都教委に適切な対応を求めて、ひっきりなしに要望等を繰り返している。しかし、都教委は頑なに「採点上の措置は行わない」とする姿勢を貫き、全く動こうとしていない。

 今回の出題ミスの設問について、都教委は3月4日付けで『平成28年度東京都立高等学校入学者選抜学力検査問題(理科)に関する見解について』と題した見解をホームページに公表したが、この見解によって、今回の設問のミスの原因が、「視線方向の補助線の引き方の間違い」であることがはっきりした。

 つまり、都教委が自らを正当化しようとして公表した「見解」によって、都教委の間違いをより世に知らしめる結果になってしまったのである。
にもかかわらず、なぜ都教委は全く動こうとしないのか。

 実は、都教委はこの1週間、多くの問い合わせや批判に対して、全て同じ言い訳で回答していることがわかった。

 その、新たな言い訳とは、「天文学的には正確ではないが、中学校ではこのように教えているので問題ない」というものだ。都教委は今、この一点張りを繰り返しているという。

 そこで、続編となる本稿では、「中学校でこのように教えている」ということはあり得ないことを説明したい。加えて、それでも、もしも都教委がこのままの態度をとり続けるとしたら、どのようなことになってしまうのかを想像してみたい。

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