世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2016年5月12日

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 ワシントンポスト紙が4月2日付で「ビルマすべてが微笑んだ日」との社説を掲載、アウンサンスーチー政権を今後も支援する必要性を強調しています。社説の要旨は次の通りです。

新政権の立役者、アウンサンスーチー氏(Getty Images)

文民政府の力及ばない分野も

 イラワジというニュースサイトが、54年の軍政が終わり、文民大統領が就任した3月30日を、「ビルマすべてが微笑んだ日」と表現した。新大統領のティンチョウは、自分はアウンサンスーチーの代わりであると述べた。スーチーが率いるNLD(国民民主連盟)が11月の議会選で地滑り的勝利をおさめた。残酷で腐敗し経済的に無能な独裁と戦ってきた、多くのビルマ人にとり勝利の時である。しかし、彼女とその党が統治することを許されるかどうかは、これからの問題である。

 文民政府はいくつかの分野で無力である。議会の4分の1は軍人が占め、憲法改正を阻止できる。国防相、国境問題相、内相と二人の副大統領の一人は軍が任命する。国家安全保障会議は議会の解散、戒厳令発布をなしうるが、軍はその過半数を握っている。

 スーチーとその内閣が中央と少数民族の和平を進めるには地方分権をする必要があるが、軍は反対するだろう。スーチーは外相になったが、軍は対中関係を差配しようとするだろう。政治犯の釈放にも国家安全保障会議の同意が要る。

 軍の希望は新政府が外国投資を引き寄せ、農業改革など開発問題に取り組むこと、安全保障問題と軍の経済利益には介入しないことである。しかしスーチーは押し込められるのを拒否し、4閣僚を兼任し、国家顧問(首相職のようなもの)を作る法を推進している。新大統領は軍の拒否権にかかわらず、憲法改正を提案するとしている。

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