2024年4月27日(土)

海野素央のアイ・ラブ・USA

2016年8月17日

 現地レポートの1回目は、「クリントン陣営のトレーニング」です。

 現在、研究の一環として激戦州バージニア州北部フェアファックス市にあるクリントン陣営に入り、戸別訪問、電話による支持要請及び有権者登録を行っています。これらの活動を実施する前に、クリントン陣営ではボランティアの運動員を対象にトレーニングをしています。そこで、本稿では、クリントン陣営の戸別訪問のトレーニングを紹介します。

クリントン支持のボランティアの運動員(右が筆者@バージニア州フェアファックス)

激戦州バージニア州

 首都ワシントンに隣接する南部バージニア州は、人口が約833万人(2014年)で、その内8.8%がヒスパニック系です。民主党全国党大会で指名を獲得した前国務長官のヒラリー・クリントン候補は、激戦州バージニア州選出のティム・ケイン上院議員を副大統領候補に起用し、同州の獲得に強い意欲を示しています。

 08年及び12年米大統領選挙においてバージニア州では、北部、州都のリッチモンド市、南東バージニアビーチ市及びハンプトン市を抑えれば、たとえ他の地域を取られても勝利できると言われていました。08年オバマ候補(当時)は、上の地域に焦点を当てて、44年振りに共和党から同州を奪還することに成功しました。12年の再選の選挙では、オバマ大統領は、特に人口が多い北部フェアファックス郡に力を注ぎました。ちなみに、フェアファックス郡の人口は、約113万人(2013年)まで増加しています。

 投票日が近づくと、オバマ大統領はフェアファックス郡にあるジョージ・メイソン大学を2回訪問し、若者に投票を呼びかけたのです。結局、同大統領はミット・ロムニー元マサチューセッツ州知事を3.9ポイント差で破りました。本選に入りクリントン陣営はバージニア州フェアファックスに選対を開き、12年のオバマ陣営と同様、同州北部で票を稼ごうとしています。


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