チャイナ・ウォッチャーの視点

2010年2月24日

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 上述に触れた「蟻族」にしても、今は話題となっている「恐帰族」にしても、大卒以上の学歴を持つそれらの若者たちは、エリートだと自認しながら社会的立場もなく貧困層同然の生活を強いられる一方、国内の富豪たちの超セレブ生活ぶりや権力による腐敗の氾濫を目の当たりにしていては、心の中は穏やかであるはずはない。彼らの多くはいずれ、この社会はどこかで間違っているのではないかと、政治や社会全体のあり方に懐疑の目を向けていくだろうが、それはすなわち、「革命思想」の芽生えとなるのである。

 そういえば、中国の多くの民衆と若者たちの間では今、中国革命のシンボルである毛沢東がふたたび崇拝の対象となってきていることもただの偶然ではない。中国にはやがて、もう一度、徹底した革命が訪れるのだろうか。

 

※次回の更新は、3月3日(水)を予定しております。

◆本連載について
めまぐるしい変貌を遂げる中国。日々さまざまなニュースが飛び込んできますが、そのニュースをどう捉え、どう見ておくべきかを、新進気鋭のジャーナリスト や研究者がリアルタイムで提示します。政治・経済・軍事・社会問題・文化などあらゆる視点から、リレー形式で展開する中国時評です。
◆執筆者
富坂聰氏、石平氏、有本香氏(以上3名はジャーナリスト)
城山英巳氏(時事通信社外信部記者)、平野聡氏(東京大学准教授)
◆更新 : 毎週水曜

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