2024年4月30日(火)

ビジネススキルを活かして楽しむ脱力系子育てのススメ

2016年10月7日

家庭内会議こそアジェンダを作ろう

 この「会議」という仕組みを、家族の間でなにか問題が起きた時、もやもやイライラしたときに、活用するのです。

 先の親子喧嘩の例には実は続きがあります。父は妻子から「分からないなら口出さないで!!」と言われたあと、はっと冷静になって考えたのです。

 「今の議題はなんだ? 彼らはそれぞれどんな問題をかかえていて、何を解決したいんだ?」と。

 そして、母子二人に提案しました。

(父)「OK、そこまで。今日はいったんここまで。この話については明日、家族会議を開くことにしよう」
(子)「会議ってどうするの?」
(父)「まず時間を決めよう。明日の夜19時から19時20分まででいいかな?」
(母子)「うん、大丈夫」
(父)「次に、何を話し合いたいのかをはっきりさせよう。議題だね。『空手の稽古』についてなのかな? それともほかのことかな?」
(母)「空手についてなんだけれど、空手を続けるかどうかというより、私は太郎本人がどうしたいのかを聞きたい。私が無理やり行かせているみたいになるのが嫌なの」
(父)「なるほど。どうしたいのかを知りたいというのが中心なんだね」
(子)「ぼくは、ママがすぐ怒るのが嫌だ。何考えてるのか分かんない」
(父)(母が何かを言いそうになるのを制しながら)「太郎は、ママの考えていることを知りたいんだね」
(父)「整理すると、太郎もママもお互いが何を考えているかを知れば、その後は、空手の稽古をどうするか相談して決められる、ということでいいかな」
(母子)「うん。大丈夫だと思う」

 と、ここで父は手元の紙に今決まったことを書き出しました。

(父)「ほら、明日の会議のアジェンダだよ。話し合う議題をはっきりさせた書類のことだね」
(子)「おお~、なんだかカッコいい! 大人みたい」

あえて今日は会議をしないのがコツ

(母)「たしかに、なんだかきっちりしようという気になるわね。でも、これだけ整理されたんだったら、もう今話し合ってしまえばいいんじゃないの?」

 どちらかと言えば、子どもと寄り添う時間が父親より多い傾向にある母は、いつものことだけに、早く話してしまいたくなるものです。

 ですが家庭内会議は、「よし、やろう!」と決めたその日ではなく、次の日以降にするのがコツ。


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