空爆と制裁

元モスクワ特派員が見た戦時下のキーウとモスクワ

黒川 信雄:著
電子版あり
空爆と制裁
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空爆と制裁
元モスクワ特派員が見た戦時下のキーウとモスクワ
黒川 信雄:著

なぜロシアは戦争を続けるのか。なぜウクライナは抗い続けられるのか。 開戦後、ロシアとウクライナそれぞれに渡り、人々の本音に迫った。

定価:1,540円(税込み)
新書判 320ページ
発売日:2024年 3月19日
ISBN:978-4-86310-280-4
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◎なぜロシアは戦争を続けるのか。なぜウクライナは抗い続けられるのか。

開戦後、ロシアとウクライナそれぞれに渡り、人々の本音に迫った。
    

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「侵略する側とされる側、その双方から生の声を拾い上げた一冊。この戦争を理解するための必読書である」

小泉悠氏(東京大学先端科学技術研究センター准教授)推薦!

 

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収まらぬインフレ、エネルギー価格の高騰、不安定化する国際秩序……私たちの日常を揺さぶり続けるウクライナ戦争。三年目に突入したこの戦争は、どこへ向かうのか。

それは、ウクライナとロシア、それぞれの国民の声に耳を傾けることで明らかになる。

 

「ロシア軍にはこれだけの目に遭わされてきた。だから、絶対に負けるわけにはいかないんだ」(キーウの男性)

「今はね、何もしゃべらないほうがいいのよ。何かをしゃべるには、あまりにも危険だわ」(モスクワの女性)

「ロシア兵は〝埋めろ、ただし庭にだ〟と言ったんだよ。うちの庭は、死体を埋める穴だらけになったよ」(ブチャの女性)

「知っているかい。ブチャの映像はね、いわば〝ポルノ〟なんだよ。すべて、作り話なんだ」(ロシア人の旧友の知人)

「われわれはクリミアを奪われて学んだ。ロシアと妥協をしても、彼らは結局、侵略の手を止めない」(キーウの市民)

 

毎日のように空爆が続くキーウで、制裁で世界から孤立したモスクワで、彼らは何を思うのか。それを解き明かすべく、開戦から数カ月後、戦争当事国となったウクライナとロシアに、記者は飛んだ。産経新聞記者元モスクワ特派員による現地ルポ。

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<本書の目次>

●はじめに

●プロローグ

●第一部 二つの首都

○第一章 空爆下のキーウへ

ソ連時代の列車に乗って、ウクライナへ / 五年ぶりのキーウ / ミサイル攻撃の生々しい爪痕 / 破壊と日常が交差する光景 / キーウで暮らす避難民 / 脅かされる電力というライフライン / 「ロシアと妥協をしても、侵略は止まらない」 / ヨウ素剤は飛ぶように売れた / 偽旗作戦による核攻撃の恐怖 / チェルノブイリ原発事故の記憶 / スマートフォンが変えた戦争 / デジタル空間もロシアとの戦場に / 陥落寸前のマリウポリからのオンライン会見 / インターネット回線による支配 / 戦禍と希望が交じり合う都市オデッサ / オデッサの避難民たち / ウクライナと世界をつなぐ港 / ウクライナで復興万博を / 破壊とバリケードの「夢洲」 / 閉ざされた海 / 復興を目指す「虐殺の町」ブチャ / ブチャに残った中小企業 / フェイクニュースとの戦い / 真実を発信し続けるということ / 徹底抗戦の源

【インタビュー】戦争を招いたロシアへの「不処罰」 ウクライナの平和のためには法の裁きが必須(二〇二二年ノーベル平和賞受賞団体「市民自由センター」代表 オレクサンドラ・マトビチュク氏)

 

○第二章 制裁下のモスクワへ

〝普通の人〟には理解できない / 母国を脱出するため、航空券を求め長蛇の列 / 侵略国家の国民ではいたくない / 本音を隠し、ロシアにとどまる / 地方とモスクワで最大一〇〇倍近い死亡率の差 / プーチン支持の声を上げる高齢者たち / 「これを見れば、あなたも真実がわかる」 / 「そこにあるナチズム」 / 八年間続く東部紛争 / 不可思議な男 / 「ウクライナはナチス」と信じる心理 / 〝死んだ子供の肉〟をレストランで? / すべての始まりは貧困の一九九〇年代 / 真冬に立ち並ぶ老人たち / 「エリツィンは西側のいいなり」 / 二〇〇五年、再びロシアへ / 「強い指導者」プーチンの登場 / 「もう二度と、あのような混乱はごめんだ」

【インタビュー】侵攻賛同の背景にある根深いロシア国民の「帝国主義思想」(ウクライナ人国際政治学者 グレンコ・アンドリー氏)

 

○第三章 変貌するロシア経済

一九九八年八月の悪夢 / 「この店舗は技術的な問題のため、閉店しました」 / ひどい味の〝偽〟丸亀製麺 / 〝合法的〟に進む西側企業への乗っ取り / 経済制裁でソ連時代に逆戻り / エアバッグがない車 / 国際的な競争力はむしろ低下 / 戦時下で開業した「コスプレ喫茶」 / 「八項目の経済協力プラン」とは、何だったのか / プーチンのパフォーマンスに翻弄されて

 

●第二部 二人の大統領

○第四章 狂気の皇帝 プーチン

プーチン氏は国を救っていない / 恐怖とプロパガンダで国を統治 / 疑問に目を閉ざすロシア人 / 対ロシア制裁はプロパガンダの格好の材料 / レニングラードで生まれ育つ / KGB出身の大統領 / 汚職と脅迫で成り立つ超長期政権 / 固執する「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性」 / 「主権国家としてのウクライナが存在する余地はない」 / 狂気の果てに

 

○第五章 屈辱の大統領 ゼレンスキー

ウクライナで最も成功したエンタメ会社 / ドラマが現実に / つきまとう財閥の影 / コロモイスキー氏の誤算 / 「交渉の席に着けば、ゼレンスキー政権は三日と持たない」 / 「二〇一四年の失敗を繰り返さない」 / 世界を巻き込む情報発信力 / 「『人影の石』となる危機に陥った国から来た」 / 極秘裏の訪日計画 / 汚職というウクライナの宿痾 / ウクライナ兵の死傷者、二〇万人

 

●エピローグ

●おわりに

※内容は予告なく変更となる可能性がございます

著者プロフィール
黒川 信雄 (くろかわ のぶお)

イギリス・ウェールズ大学ジャーナリズム学部修士課程修了。ロイター通信財団、日本工業新聞社を経て、産経新聞社入社。経済部、外信部を経て2014年11月から18年1月までモスクワ特派員。現在は大阪経済部記者。

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