公立中学が挑む教育改革

2017年11月1日

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多田慎介 (ただ・しんすけ)

ライター

1983年、石川県金沢市生まれ。大学中退後に求人広告代理店へアルバイト入社し、転職サイトなどを扱う法人営業職や営業マネジャー職を経験。編集プロダクション勤務を経て、2015年よりフリーランスとして活動。個人の働き方やキャリア形成、企業の採用コンテンツ、マーケティング手法などをテーマに取材・執筆を重ねている。

外部を巻き込む「オープンイノベーション」で教育現場を変える

 自らの意志を持って社会に出ていく人材を育てるため、麹町中学校では年間を通してさまざまなカリキュラムを用意している。その1つが、現実社会と連動しながら生きる力を育む全国規模のプログラム「クエストエデュケーション」への参加だ。

 クエストエデュケーションでは、2年生が1年間の企業インターンを経験する。NTTドコモやクレディセゾンといった大手企業へ生徒たちがエントリーシートを書き、企業から出されるリアルな課題に対して自分たちでオリジナルの企画を考え、プレゼンテーションを行っている(生徒たちがプレゼンの際に使用するパワーポイントは、工藤氏の影響を受けたビジュアル重視のスタイルだ)。

 3年生では大手旅行代理店のJTBに対して、「自分たちの修学旅行企画」を提案する。取材旅行としてツアー企画を立て、2年生や保護者も呼んでプレゼンを行うのだ。旅行先では自分たちで取材し、写真を撮り、パンフレットを制作する。

 他にも、ビジネス研修プログラムさながらの「スキルアップ宿泊」や、大学法学部で民主主義によるリアルな対立を学ぶ「模擬裁判」、有名料理人の陳建一氏が教える「調理実習」、アフタースクールとして放課後に東京大学や東京理科大学の学生から学べる「麹中塾」(こうちゅうじゅく)など、独自の取り組みを進めている。

麹町中学で行われている「スキルアップ宿泊」の様子 写真を拡大

 外部企業や専門家、学生などを巻き込んで教育現場を変える「オープンイノベーション」は、工藤氏の真骨頂とも言える。「学習塾に通うことなく高いレベルの授業を受けられるため、保護者からも非常に喜ばれている」という。

 既成概念を打ち破り、公立中学校発の改革を次々と実現している工藤氏。この連載では、その活動の背景を探っていく。

多田慎介(ライター)
1983年、石川県金沢市生まれ。大学中退後に求人広告代理店へアルバイト入社し、転職サイトなどを扱う法人営業職や営業マネジャー職を経験。編集プロダクション勤務を経て、2015年よりフリーランスとして活動。個人の働き方やキャリア形成、企業の採用コンテンツ、マーケティング手法などをテーマに取材・執筆を重ねている。

  
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