海野素央の Love Trumps Hate

2018年1月26日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授、心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08~10年、12~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年及び12年の米大統領選挙においてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。著書に「オバマ再選の内幕―オバマ陣営を支えた日本人が語る選挙戦略」(同友館)など多数。

2年目の展望

 トランプ大統領は、好調な経済と低い失業率を保ち、それにメディア攻撃を加えれば、2年目も支持基盤をつなぎ止めていけると読んでいます。ただし支持率は、今後も30%後半から40%前半で安定しながら低空飛行を続ける可能性が高いです。

 その理由は、経済に対する有権者の認識にあります。上で紹介したABC ニュースとワシントン・ポスト紙による共同世論調査では、米国民は経済の好調さの原因は、50%がオバマ政権、38%がトランプ政権にあると捉えています。有権者のこの認識を変えない限り、2年目も全体の支持率上昇は難しいといえるでしょう。

 支持率の変化に加えて、2年目のトランプ大統領の注目点は「精神状態」であると言わざるを得ません。偽証罪及びマネーロンダリングで、これまでにマイケル・フリン前大統領補佐官(国家安全保障問題担当)、ジョージ・パパドポロス元外交政策顧問、ポール・マナフォート元選対会長、同会長の元ビジネスパートナーであったリック・ゲイツ氏が起訴されました。身内であるジュニア氏やクシュナー氏までが起訴される事態になると、トランプ大統領はさらに追い詰められ、精神的安定さを欠いた言動をとることが予想されます。

 周知の通り、今年は米中間選挙の年です。すでに、野党民主党のピート・アラギール下院議員(カリフォルニア州第31選挙区選出)は、トランプ大統領の大統領職に対する適性や精神的能力に関するアンケート調査をネット上で実施して、同大統領の精神的不安定さを11月6日に行われる中間選挙の争点の一つにしようとしています。

 言うまでもなくトランプ大統領の精神的不安定さは、外交・安全保障にも影響を及ぼします。北朝鮮の核・ミサイル問題に直面するアジア地域にとって、2018年は核のボタンを握るトランプ大統領の精神的安定さの欠如が、本当の脅威になるかもしれません。

  
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