今月の旅指南

2018年7月23日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 どこかは分からなくても、誰もが共感できる景色を描き続けた国民的風景画家、東山魁夷。京都では30年ぶりとなる大回顧展が、京都国立近代美術館で開かれる。

東山魁夷 《道》 昭和25年(1950)
東京国立近代美術館蔵

 会場には、沈みゆく太陽が連なる峰を染めていく雄大な景色を描き、第3回日展の特選受賞作となった「残照」や、眼前に続く一筋の道が印象的な「道」、緑の木々が湖面に映る幻想的な風景の中を白馬が進む「緑響く」など、一度は目にしたことのある東山作品約80点が勢ぞろいする。

 北欧の自然をはじめ、京都やドイツ、オーストリアの古都の佇(たたず)まいを描いた作品も数多く展示。25歳の時のドイツ留学に始まり、写生のために旅を続けた画家の足跡を、作品でたどることができる。

 さらに、東山芸術の集大成とされる唐招提寺御影堂(みえいどう)障壁画を特別に再現展示。障壁画は、昭和46年(1971)に依頼を受けてから、すべてが完成するまで10年の歳月をかけた大作で、日本の山と海がテーマの「山雲(さんうん)」と「濤声(とうせい)」、中国の景勝地を水墨画で描いた「黄山暁雲(こうざんぎょううん)」や「桂林月宵(けいりんげっしょう)」などが鑑賞できる。唐招提寺の御影堂は約5年にわたる大修理事業が進行中で、鑑真和上(がんじんわじょう)の命日に合わせて行われていた障壁画の公開も実施されないため、本展は障壁画鑑賞の格好の機会となる。

●生誕110年 東山魁夷展
 <開催日>2018年8月29日~10月8日 

 <開催場所>京都市左京区・京都国立近代美術館(市営地下鉄東西線東山駅下車)
   <問>☎075-761-4111

   URL:http://www.momak.go.jp/
 URL:http://kaii2018.exhn.jp/

*情報は2018年6月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2018年8月号より

 
 


 


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