From NY

2019年7月19日

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田村明子 (たむら・あきこ)

ジャーナリスト

盛岡市生まれ。1977年米国に単身留学し、1980年から現在までニューヨーク在住。著書に『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)、『知的な英語、好かれる英語』(生活人新書)、『女を上げる英会話』(青春出版社)、『聞き上手の英会話』(KADOKAWA/中経出版)など。翻訳書も多数。フィギュアスケートライターとしても知られており、『挑戦者たち-男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』(新潮社)で2018年ミズノスポーツライター賞受賞。

 2019年の3月、ダイソーがニューヨークに米国東海岸の第一号店を出した。オープニングしたばかりのころは、外に長蛇の列が出来て店に入るまで人々は30分くらい並んでいたという。開店して4ヶ月ほどたった現在、どんな様子になっているのか筆者も来店してみた。

 ダイソーがあるのは、マンハッタンから7番の地下鉄に乗って40分ほどの、クイーンズの東側にあるフラッシングという区域だ。ここは元々アジア系の移民が多い住宅街だったが、現在では特に中国系移民が増えて高層ビルのホテルなども建ちはじめ、マンハッタンの中華街をしのぐ勢いでコミュニティが膨らんでいる。

 このフラッシングにあるスカイヴューモールというショッピングセンターの中に、ダイソーが出来たのだ。同じビルの中にはユニクロ、米国の大手百貨店ターゲット、地下にはファストフードやアジアの食材が揃っているスーパーマーケットもあり、家族連れが週末に時間をつぶすには格好の場所である。

ニューヨークで人気を呼ぶダイソー

人気は化粧品など

 さて噂のダイソーは、思ったほどの広さはなかったけれど、やはり週末だったこともあってかなり混み合っていた。

 特に人気があったのは、化粧品や、ヘアアクセサリーなどを扱っているセクション。若い女性たちが、棚からひったくるようにして商品をバスケットに入れている。またメモ帳などのステーショナリー、小物など一般のアメリカの店で手に入るものより凝ったデザインが人気があるようだ。

 価格は、一般の商品は一品1ドル99セント。今の換算でいうと、日本円にしておよそ220円程度なので、日本で買うよりは若干高い。それでも「日本の商品が、これほど安く買えるなんて」と、特に若者たちに人気がある。

 実際のところ、現在ディスカウントショップで売っているものの大多数は、Made in Chinaであることは東西どこも事情は同じだ。だがそれでも日本で発注されて品質管理され、何より日本の消費者たちが買っているものと同じ商品だというところが、魅力の一つなのだろう。

世界でのメイドインジャパンの評価

 「私が子供のころは、日本の製品というと安かろう悪かろうというイメージがあったんです」というのは、60代前半のアメリカ人の友人である。

 「それが1970年代あたりから、日本製品は評価を上げていった。やはりソニーやトヨタ、ホンダあたりから始まったような気がします」

 現在ではテクノロジーだけでなく、ファッション、コスメ、食料品など、すべてにおいて日本製といえば世界中で一目おかれていると言って過言ではない。

 2018年モスクワに行ったときは、地下鉄の通路に日本の飲料自動販売機が置いてあるのを見つけて驚愕した。印刷された簡単なロシア語の説明がテープで貼り付けてある以外、売っている商品もすべて日本にあるものと全く同じである。午後の紅茶とか、桃の香りがする飲料水とか、ロシア人が買うのだろうか? モスクワ出身の友人にそう聞くと、やはりこんな答えが返ってきた。

「ロシア人は、日本製なら大丈夫、と思っているの。日本で作られたものなら、なんだか良くわからなくても質が良いものだろうとみんな信頼しているので」

 こうした基盤があってこそ、ダイソーも開店早々長蛇の列ができるほどの人気となったのだ。

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