2024年4月26日(金)

医療を変える「現場の力」

2013年7月4日

 訪問診療とあわせて地域の介護サービスなどを利用している人も多いが、その各担当者との橋渡し役としても看護師が力を発揮する。

同行した薬剤師は、薬をチェック。希望があればお薬カレンダーにも入れる(先ほどとは別のお宅にて)

 さらに、在宅療養を支える重要なメンバーに、薬剤師がいる。「薬剤師と一緒に訪問をするようになって、それまで薬の管理にかけていた時間を、ご本人と家族に向き合う時間に使えるようになった」と、遠矢さんは話す。特に初診の場合、それまでかかっていた複数の診療科で処方された薬の整理に多くの時間を費やしていたのだ。

 薬に関してもう一つ大切なのは、日常生活においてどうやって指示通りに服用してもらうかである。老老介護の場合や、認知症を持つ人の場合は、だれがどのタイミングで服薬支援をするのかが難しい。そんな時にも、薬剤師が知恵をしぼる。「1日3回の薬を、こう工夫すれば1日1回で済む」、「このタイミングでヘルパーさんが来てくれれば飲むことができる」などのアイデアは、在宅を知る薬のプロだからこそである。

チーム力を伸ばす情報共有とは

 看護師、薬剤師だけではない。在宅医療には医療と介護のさまざまな職種が関わる。それぞれが専門職として補い合いながら、抜け落ちる部分のないように連携するために、情報共有は欠かせない。

 桜新町アーバンクリニックで活用されている、連携しチーム力を伸ばす情報共有の方法とは一体どのようなものなのか。ICTの“いいとこ取り”をした取り組みについては別記事(5日公開予定)でお伝えする。


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