うつ病蔓延時代への処方箋

2014年11月13日

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 私が涙活と関わるようになったのは、東京都内で開かれた社会人向け涙活イベントにスタッフとして加わり、そこで聞いた話に感銘し意義を感じたから。現在も月2回、無料で行っています。ここに参加した看護師さんから「病気を抱えストレスがたまっている患者さん向けに有効では」という声や、学校関係者から「勉強やクラスの人間関係で疲れている生徒に涙活をやるのはいいかも」との話をいただきました。

 元高校教師でスクールカウンセラーの経験を生かし、社会的に意義のあるこの涙活を世に広めたいという想いから『なみだ先生』の愛称で活動を始めました。

―― どのように涙を流すよう指導していくのですか。

吉田:泣ける短編動画を8本程度上映します。泣きのツボは人それぞれなので、とにかく多くのジャンルの動画を流します。これで学校の例では9割近い生徒さんが泣いてくれます。そのほかに涙の効用についての講義、泣ける話を考える涙作文(ワークショップ)、泣き言セラピーとして泣き言を書き出し、最後にアドバイスします。

 「毎朝、起きられない」という泣き言に対しては、「寝る前に泣いてください。泣くとセロトニンという脳内物質が分泌されます。これは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を夜間に促進します。だから、朝に弱い人や不眠症で悩んでいる人は、寝る前に短い動画を見るなど一人涙活するのが有効です。泣くと目が腫れるといいますが、それは目をこするから。涙は流しっぱなしにすると、そんなに腫れません」ということを語りかけています。

感動の涙は緊張、不安を和らげる

―― 泣きの効用に基づくアドバイスができないこともあるのでは。また学校などで行う涙活ではどのような評価を得ていますか。

吉田:多感な年代の生徒たちですから多様な面があります。その場合は、カウンセラーの資格を生かし、その知見に基づくアドバイスをします。涙活について学校の先生からは「クラスの雰囲気がよくなった」という報告を毎回受けています。クラス全員で泣くという経験を共有することが、良い雰囲気づくりになっているのだと思います。上映する動画は、家族愛や人間の生死をテーマにしたものが多く、人間の持つ強さや優しさ、温かさとは何か、などについて考えるきっかけにもなるのでしょう。「涙の授業」と称する涙活は、現場の先生からは好評です。

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