メディアから読むロシア

2015年5月1日

»著者プロフィール
著者
閉じる

小泉悠 (こいずみ・ゆう)

財団法人未来工学研究所客員研究員

1982年生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修士課程修了。民間企業を経た後、2008年から未来工学研究所。09年には外務省国際情報統括官組織で専門分析員を兼任。10年、日露青年交流センターの若手研究者等派遣フェローシップによってモスクワの世界経済・国際関係研究所(IMEMO)に留学。専門は、ロシアの軍事・安全保障政策、軍需産業政策など。著書に軍事大国ロシア』(作品社)、『プーチンの国家戦略』(東京道堂出版)『ロシアの軍事情報を配信するサイト「World Security Intelligence」(http://wsintell.org/top/)を運営。

 ロシアが建設中の新宇宙基地で不祥事が相次いでいる。以下に紹介する記事はその最近の事例を紹介したものだが、叩けば叩くだけ埃が出てくるという状況で、検察当局も捜査に動き出した。

 まずは現状を以下の記事から把握してみたい。

「検事総長はヴォストーチュヌィ宇宙基地において20件の違反容疑があると述べた」『ヴズグリャート』2015年4月29日

検察の資料によると、ヴォストーチュヌィ宇宙基地の建設における違反に関して20件の容疑があるとユーリー・チャイカ検事総長が述べた。

「我々の資料によると、すでに20件の刑事事件と規律に関する責任を問われる228人の公務員に関する容疑があり、裁判所に対して2300万ルーブルの支払い遅延に関する捜査を要請した」。チャイカ検事総長がロシア連邦院(上院)議員の質問にこのように答弁したことをTASS通信が伝えた。

ヴォストーチュヌィ宇宙基地はアムール州のウグレゴルスク村付近で建設が進められている。同宇宙基地の打ち上げコンプレクスは2015年7月に建設が終了することになっている。現在建設中のヴォストーチュヌィ宇宙基地からの初打ち上げは2015年12月25日に指定されている。

各施設の建設は計画から最大2カ月遅延していることが度々伝えられているが、その運用開始期限は守られるとされている。これに加え、複数の人物が予算の浪費、横領及び収賄の疑いで逮捕されている。

4月9日、「ストロイインドゥストリヤ-S」社がヴォストーチュヌィ宇宙基地の施設建設に関して4800万ルーブルを不当に支出していたとして刑事告訴された。

4月22日、アムール州警察とFSB(連邦保安庁)アムール地域局がヴォストーチュヌィ宇宙基地の施設建設に関して5000万ルーブル以上が浪費されているとの事実を把握したことを明らかにした。

4月23日には、TMK社のイーゴリ・ネステレンコ社長が給与の支払いを行っていないとして検事総局に告発された。

4月24日、閉鎖型株式会社DSSのロマン・スヴォーロフ社長がサンクト・ペテルブルグで逮捕された。捜査当局によると、スヴォーロフ社長は十分な資金がありながら、2015年1月から3月半ばまでの2カ月以上、全く給与を支払っていなかった。判明しているところでは、支払われていない給与の総額は3500万ルーブル以上に上る。

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る