ロシアが「中東の警察官」なれない理由

ロシアは「中東の警察官」になれるか（後編）

本稿の前編で触れたように、シリアを舞台としたイランとイスラエルの対立が激化するなかで、ロシアは「調停者」と振る舞おうとしている。しかし、ロシアには本当の意味でその力が備わっているのかどうか。後編にあたる本稿では、この点について考えてみたい。

イスラエルとイランの間で板挟みになるロシア

ロシアは「中東の警察官」になれるか？（前編）

ロシアがイスラエルとイランの調停者としての役割を果たす場面が目立ってきた。米国が中東への関与を後退させる中にあって、中東におけるロシアの存在感はことさら増大しつつある。ロシアは米国に代わる新たな「中東の警察官」になるのだろうか？

米露首脳会談とロシアの思惑

2018年7月16日、フィンランドの首都ヘルシンキで米露首脳会談が行われた。ロシアから見れば、この会談は総じて悪いものではなかったと言える。以下、ロシアの思惑からこの会談について考えてみたい。

イスラエルのシリア空爆とロシアの役割

紛争勃発から8年目を迎えたシリア内戦において、ロシアは確固たる影響力を発揮してきた。ロシアの軍事介入は風前の灯であったシリアのアサド政権を形成逆転させ、イランとともにシリア情勢の鍵を握るに至っている。新たな段階を迎えたシリア情勢におけるロ…

ロシア戦闘機が択捉島まで2000キロを越えて飛…

4月18日、北方領土でロシアの軍事演習が行われ、菅義偉官房長官は抗議声明を出した。この時期のロシア軍の軍事演習は珍しいことではないが、気になる動きもあった。

「徴兵制を段階的に廃止」プーチンの狙いとは

今年10月、ロシアのプーチン大統領が徴兵制を「段階的に廃止する」と発言して話題を呼んだ。徴兵制廃止論はこれまでにも存在したが、現役大統領が廃止の方針に言及したのはこれが初めてとなる。

ロシアの新軍備計画固まる、欧州軍事危機を反映し…

来年から開始されるロシアの新軍備計画「2025年までの国家装備プログラム（GPV-2025）」の大枠が固まった。現在、ロシアの軍備計画を規定しているのは2011年にスタートした「2020年までの国家装備プログラム（GPV-2020）」だが…

ベラルーシとロシアの関係に黄信号、背後に中国の影

ベラルーシが欧米との関係改善を図ろうとしていることに懸念を示しており、こうした政治・経済的摩擦がロシアとの関係を不安定にしているほか、中国も背後で動いている。

トランプ始動前に既成事実作りに励むプーチン

トランプ政権が実際にどのような対外政策を打ち出すにせよ、今のうちにアサド政権の延命を確実なものとし、対ISIS作戦でロシアの主導権を確立することがプーチンの狙いだ。

シリア作戦の「戦果」は70億ドル 武器商戦でも…

ハイテク兵器の運用が難しいとされる砂漠地帯で実際に高い運用実績を挙げたことが、中東・北アフリカ諸国への売り込み攻勢に追い風となっている。

シリアを“実験場”にしたロシアの矛盾

プーチン大統領のシリア撤退演説を読み解く（後編）

シリアからのロシア軍撤退を宣言するプーチン大統領の演説を通じ、ロシアの対外姿勢を読み解いた前回に続き、今回は、演説後半を見ていきたい。

「我々は結果を残した」 プーチンの両にらみ戦…

プーチン大統領のシリア撤退演説を読み解く（前編）

プーチン大統領がシリアからロシア軍を撤退させると突如発表したが、当然単なる撤退ではない。この背景には、二重の狙いがある。

北朝鮮の「水爆実験」 ロシア側はどう報じ、捉…

北朝鮮は初めて中国にもロシアにも事前通告を行わずに核実験に踏み切ったとされ、北朝鮮がアンコントローラブルな不安定要因になりつつある。

トルコが海峡封鎖すればどうなる？ 露土戦争再…

トルコによるロシア空軍機撃墜により露土関係の緊張が高まる中、トルコがダーダネルス・ボスポラス海峡を封鎖するのではという見方があるが…

パリ同時多発テロはロシアに好機？

ロシアのメディアでも、今回のパリ同時多発テロの影響については活発な議論が見られた。それも、これを好機と捉える見方が多い。

米国無人機を低コストに無力化 ロシア軍の秋季…

今回のシリア介入では、依然として西側に比肩する水準ではないにせよ、作戦能力の回復を強く印象づけた。

名誉挽回にもがくロシア

国連総会でプーチンは何を語ったか（後編）

アサド政権を含めた対IS「大連合」というロシアの主張は、西側には受け入れられるものではない。

「アラブの春」を恐れるロシア

国連総会でプーチンは何を語ったか（前編）

アラブの春をプーチン大統領が批判するのは、権威主義体制打倒の波がカザフ、ウズベクなど旧ソ連の友好国への波及を恐れるからだ。

ロシアが目論むシリア内戦の「書き換え」

ドゥシャンベでのプーチン演説を読み解く（後編）

脅威を及ぼすISに対して、「大連合」を形成する必要がある。そして、この「大連合」にはシリアのアサド政権を含まなければならない。

「イスラム国」の脅威に 相乗りしようとするロシア

ドゥシャンベでのプーチン演説を読み解く（前編）

現在の世界のありようをイスラム過激主義との戦いと位置付け、それによって国際社会から孤立したロシアやシリアの立場を回復しようと目論む。