2024年4月28日(日)

山陽新幹線各駅停車の旅

2016年4月16日

ひめじ手柄山遊園

 「私が子どもの頃は、憧れの場所でした」と、まきこさん。しかし今は人もまばらで、雨が降ったり止んだりしていたこともあって、実のところこの日、私たち以外に客はおらず、思いがけず貸切の状況に。入園料は、4歳以上100円(100円分の乗りもの券付き!)。他に誰もいない遊園地は、鏡の中の世界のようで、妙に胸が高鳴る。童心に返り「スリラー館」というおばけ屋敷と、ジェットコースター(現在は運休)をひとしきり楽しんだ。

兵庫県姫路市西延末
079-296-0503

38年もの間、姫路の子どもたちの憧れのシンボルだった観覧車。今年(2016年)の1月に運休に
遊園内には「姫路市民プール」が。営業は夏の間

まねき食品(えきそば)

 岡山の知人から、電車で大阪方面へ向かうとき、わざわざ姫路駅で途中下車をして、駅のホームで「えきそば」を食べるのだと聞かされた。それは他の駅にない特別なもので、早くて安くて美味しい、そのバランスがすばらしいと。

 “そば”という名が付いているから、黒や茶や白の、いわゆる“蕎麦色”を思いうかべていたのだが、実際に味わって不意をつかれた。丼の中身は、なんと黄色い中華麺。ゆがいた細いストレート麺に天ぷらを乗せ、鰹と鯖節でとった和風だしをかけて、最後にネギを添える。温かいだしは、すぐに天ぷらに溶け込み、ふやけて麺に馴染み、独特の食感を醸す。このえきそばが誕生したのは、昭和24年。終戦後で物資が不足していたとき、小麦粉の代用品としてこんにゃく粉とそば粉を混ぜたうどんを、駅弁と同じ立ち売り様式で販売。注文が入ると、丼に入ったうどんとネギに、やかんから温かいだしを注ぎ、客に渡していたそうだ。その後、改良を重ねて、現在のかん水入り中華麺が誕生。えきそばの名はそのまま根付き、立ち売りからホーム上の売店へと発展をとげた。

JR姫路駅 新山陽本線 上りホーム・下りホーム
0829-44-2266

スタンダードなのが、この「天ぷらえきそば」。他にも「天ぷらうどん」「きつね和そば」「カレーえきそば」など品書きもいろいろ。駅そばの売店は、JR姫路駅構内山陽本線の、上りホームと下りホームどちらにも。新幹線乗降口前「マネキダイニング」でも、えきそばや駅弁の販売をおこなう
カウンターで食券を渡してから完成までなんと10秒!「電車に乗る前、みなさん急いでいますから」。スタンダードなえきそばは360円。早い、安い、うまい、この3拍子で、姫路っ子に愛される。「まねき食品」は明治22年、折り箱に入った幕の内風の駅弁を最初に売り出した元祖としても知られる

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