チャイナ・ウォッチャーの視点

2016年4月1日

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高田勝巳 (たかだ・かつみ)

株式会社アクアビジネスコンサルティング代表

株式会社アクアビジネスコンサルティング 代表取締役。拓殖大学で中国語を専攻し、1984年より1986年まで中国の遼寧大学、北京大学での留学を経て、1987年に当時の三菱銀行に入行。1993年より同行上海支店開設のために上海に赴任。1998年に同行を退職後、上海で独立し、それ以来上海を拠点としたコンサルタントとして活躍。2002年より現職。この間、多くの日中間のビジネスにコンサルタントとして関与、最近は日系企業の顧客以外にも中国企業の対日投資並びに技術導入も支援している。中国の第一財経テレビ、香港のフェニックステレビの時事討論番組のコメンテーターとしても活躍している。

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 面白いのは、Uber Blackの車が豪華なこと。アウディーA6のほか、BMWの5シリーズ、ベンツのEは序の口で、この前は、電気自動車のTESLAが来たから驚いた(知人によると、先日、北京で利用したらなぜかポルシェ911が来たという話も聞いた)。こういう高級車の場合は、個人というより、リース会社(中国のリース会社は法定上グレーだが運転手付きでリースすることが多い)が車が空いている時に回したり、企業の社用車の運転手がボスが出張しているときにお小遣い稼ぎしていることもあるようだ。

意外と便利な中国Uber

 私にとって、楽なのは、日本で登録したクレジットカードで決済できるので、着いたら車を降りるだけという利便性だ。中国では、通常のタクシーを対象としたネット決済できるタクシー会社サービスもあるが、なぜか登録が全て中国の身分証明書番号でなされるため、外国人は中国国内の銀行に口座を持っていても登録できず、現金で払うしかなく、現金決済ができないサービスは利用もできない。

 また、こうしたサービスは配車の際、運転手が受託する前に行き先が表示されるので、行き先が近くであると車があっても受託しないケースや、サービスによっては、ネット上でチップを提示することもできるので、混んでいるときはチップをいれないと運転手がこないという問題がある。また、行き先へのルートは、全てネット上で最短ルートが明示されるので、道に詳しくない地方にいっても遠回りされる恐れはない。

 今回、運転手から聴取した範囲では、Uberの場合は運転手に場所が示されないし、システムが強制的に近くにいる車を配車するので、運転手は行き先を選べず、ユーザーにとってはありがたいシステムだ。また、運転手の態度もこれまで5、6回乗った範囲では全て良かった。進んでトランクの荷物を降ろしてくれる。普通のタクシーでは手伝ってくれない場合が多い。

 今回、空港から乗った運転手は多分30歳前後、自分でこの車を買って、これ専門でやっているそうだ。月収はガソリン代などを抜いた手取りベースで1万元というから悪くはない。大卒給与の倍くらいのイメージか。

 また、米国と同様に普通のドライバーが気が向いたときに同乗者を探したり、月に何日かだけアルバイト感覚でやる場合もあるそうだ。月に10回以上受託するとボーナスが出るとのこと。

摘発の恐れも……

 ただリスクもある。たまに白タクとして警察に捕まるそうだ。空港の出口で警察が張っており、運転手と乗客から個別に話を聞いてUberとわかると2万元(40万円近く)の罰金。でも、この罰金はUberが全額払ってくれるそうだ。問題は、車を2週間拘束されること。この間は車を使えなくなる。それでも、Uberがワークしているのは、おそらく摘発の頻度が高くないからであろう。

 ユーザーにとっては、利便性を考えれば、Uberの方がよっぽど使い勝手がいい、ということは、逆にタクシー会社にとっては脅威であろう。当局もタクシー会社からのクレームにより、取り締まりをしているポーズをしているのかもしれない。

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