WEDGE REPORT

2016年5月2日

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 最大震度7を観測した「熊本地震」の発生から6日を経た22日。多くの家々が全半壊したまま取り残される益城町より車を15分ほど走らせると、熊本市内中心部に達する。熊本駅構内では既に土産物店や飲食店が営業を再開。熊本市のシンボルである路面電車も、煌々と明かりを灯しながら行き交っていた。

 インフラの復旧も徐々に進み、熊本市内では少しずつ日常が戻りつつある。
そんな非常時下の“日常”生活を支える手段として話題となっているのが、月間利用者数6000万人を誇り20~40代の女性に親しまれる料理レシピの投稿・検索サイト、「クックパッド」が提供する『震災レシピ』である。

マスコミが注目しない被災者

 『震災レシピ』を届けたい対象として見据えるのは、マスコミが注目しない被災者である。

 テレビや新聞といったマスコミが映し出す“被災者像”といえば、自宅が全半壊した被災者ばかりだが、実際は被災地でもそのような境遇にある人ばかりではない。自宅こそ大きな被害は免れたものの、道路が寸断され生活必需品が届かず、不安な日々を過ごす人々もまた被災者である。『震災レシピ』の対象はまさにそのような人々だ。

 様々な食材を用いたレシピの数々を提供するクックパッド本来の役割は、「どちらかというと、気持ちの余裕のあるときに使われる」(検索・編成部の五十嵐啓人部長)もの。しかし、マスコミに報道されるような被災者が求めるのは、震災や天気といった生命に直結する情報である。その中であえて「非常事態下で普通に暮らす人」に焦点を当て、「美味しいものを食べて“平常時”を取り戻してもらう」(クックパッド編集室の草深由有子編集長)のが狙いという。

 それではどのようなレシピが紹介されているのだろうか。

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