赤坂英一の野球丸

2016年11月23日

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赤坂英一 (あかさか・えいいち)

スポーツライター

1963年、広島県生まれ。86年に法政大学文学部卒業後、日刊現代に入社。88年より、スポーツ編集部でプロ野球取材を担当。同社勤務のかたわら週刊誌、月刊誌で、スポーツを中心に人物ノンフィクションを多数執筆してきた。最新刊『すごい!広島カープ 蘇る赤ヘル』(PHP文庫、『広島カープ論』増補改訂版)が重版出来で2万部突破。ノンフィクション『失われた甲子園記憶をなくしたエースと1989年の球児たち』(講談社)が第15回新潮ドキュメント賞にノミネートされた。ほかに『プロ野球「第二の人生」 輝きは一瞬、栄光の時間は瞬く間に過ぎ去っていった』(講談社)『最後のクジラ――大洋ホエールズ・田代富雄の野球人生』(講談社)『プロ野球コンバート論』(PHP研究所)など。

 20日日曜、札幌市で日本ハムのパレードが盛大に行われた。今年は4年ぶりのリーグ優勝、10年ぶりの日本一に加えて、2004年に東京から札幌に移転して13年目で初めて主催試合の年間観客動員数が200万人を突破(207万8981人)。栗山英樹監督は「来年はさらに素晴らしい試合をしていきます!」と宣言、JR札幌駅前通りに詰めかけた約13万8000人のファンから拍手喝采を浴びていた。

 まさに地域と球団が一体化したかのような盛り上がりは、日本ハムの新たな黄金時代の到来を予感させる。しかし、それは同時に、大きな変革の時期への突入も意味している。

大谷はメジャーに行くのか?

iStock

 その最大のポイントは、早ければ来年シーズンオフに実現しそうな大谷翔平のメジャーリーグ流出だ。大谷は4年目で投打の主軸となるリアル二刀流のスタイルを確立、悲願の優勝と日本一も経験し、残る目標は来年出場するWBCを制覇して世界一となることのみ。

 そこまでやり遂げれば日本でやり残したことはなく、ポスティング・システム(入札制度)を使ってのメジャー移籍を訴えるのは時間の問題だろう。渦中の大谷はパレードから一夜明けた21日、こう発言している。

 「1年1年やっていますし、その先のことは自分でもわからない。ファイターズが(メジャーへの)過程だと思っていない。来年優勝できるように頑張るだけです」
 

 いずれにしても、日本ハムとしてはいまから〝ポスト大谷〟の育成を急ぐ必要がある。

 もちろん、日本シリーズで対戦した広島・黒田博樹をして「異次元の存在」とまで言わしめた大谷の代わりなど、おいそれとは見つかるまい。だが、日本ハムはこれまで、新庄剛志、ダルビッシュ有、稲葉篤紀、糸井嘉男と、戦力面でも営業面でも主力だったスター選手を失い(あるいは放出し)ながら、着実にその穴を埋めてチームをリニューアルさせてきた実績がある。かつて日本ハムのGMで、現在はDeNAのGMを務めている高田繁氏は、今年のセ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)の最中、こんな話をしていた。

 「日本ハムはファームの育成システムがしっかりしてるからね。陽岱鋼がFA宣言しても、引き留めないだろう。あのクラスの代わりになる外野手なら、あそこは下(二軍)でちゃんと育ててるよ。見ててごらん、すぐにいい外野手が次から次に出てくるはずだ」

 実際、日本シリーズは今季左翼に定着した6年目の西川遥輝をはじめ、右翼の近藤健介(5年目・登録は捕手)、センターの岡大海(3年目)ら新たな外野手トリオが大活躍。日本ハムが4連勝した第3戦から6戦まで、陽はスタメンにすら入れなかったのだ。

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