WEDGE REPORT

2017年6月23日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

「謹慎」明けで攻めに転じるJAL

 JALは10年に会社更生法を申請して公的資金が投入されたことから、今年3月末までは、国土交通省の管理下に置かれ、新規ビジネス、新規路線の申請などはできなかった。しかし、4月1日以降は、「謹慎」が終了し、経営の自由度が増した。ANAが昨年10月に就航させて遅れをとっていた羽田―ニューヨーク路線も4月1日からスタートさせ、9月1日からは成田―メルボルン、成田―コナ(ハワイ)路線も新たに就航する。

 4月28日に発表したJALグループの2017年度から20年度までの中期経営計画では、「挑戦、そして成長へ」をテーマに掲げており、少しずつ拡大を目指そうとしている。「規模を追わず、収益を重視する」という考え方は踏襲しているが、20年度の売上高は16年度比16%増の1兆5千億円を予定、座席供給量も国際線は同比23%増、国内線は5%増としており、17年度以降は「反転攻勢」を狙っている。

 今回のネットサービス無料化はその一つの表れとも言えそうで、再燃するJALvsANAのサービス競争の前哨戦とも言えそうだ。国内線は全体の需要が伸び悩む中で、ビジネス客の奪い合いが勝負を決めかねない。JALがネットサービス無料化に続いて、どのようなサービスを提供するか注目する必要がありそうだ。

 一方のANAはJALが動けなかった約6年間の間に国際線を大幅に伸ばすなど拡大路線を取ってきたが、JALがサービス拡大を強化すると利用客を奪われる恐れもあり、ANAがどのような対抗策を出すかも注目点だ。

  
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