【WEDGE創刊25周年特集】英知25人が示す「日本の針路」

2014年11月20日

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 高齢者が増え、雇用のシフトが起きる中、大規模な公共事業で景気回復を狙う政策に意味はない。今から手を打つべきは、世界的な医療産業の育成だろう。日本で使われている医薬品や医療機器の多くは、欧米やイスラエルの製品だ。輸入超過額は年間3兆円規模に上る。

 しかし、日本の医療はiPS細胞をはじめ基礎研究では世界をリードしている。このノウハウを活かし、産学官が一体となって医薬品や医療機器の国内生産を拡大し、世界に輸出できる環境を整えるべきだ。

 開発した医薬品や医療機器は、単純に売るだけでは使われない。海外に日本の製品を集めた病院を建設し、使い方などの技術指導を行うことも重要だ。こうした事業はODA(政府開発援助)で日本の税金を使っても意味はなく、お金を持っている国をターゲットにすべきである。中国と産油国だ。

 個人的な目標では、電子カルテをクラウド化し、全国の医療機関で診療データを共有できるネットワークを構築したい。こうした環境整備は欧米諸国が先進的だが、日本には優れた国民皆保険制度がある。詳細な診療データが蓄積されており、これをビッグデータ化して分析すればさらなる医療の発展につなげられる。

 健康長寿という人類の夢を叶えた日本は今後、人類が未経験の世界に突入する。目指すべきは、人類初の新しい社会システムを構築すること。日本に必要なのは「再生」ではなく「新生」だ。確かに、変わるリスクは小さくない。しかし、変わらないままでいるリスクはその比ではない。生き残るために変わることが必要だと考えている。

  
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◆Wedge2014年5月号

 

 

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