ビジネスにも効く!アニメ監督のマネジメント術

2017年8月11日

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藤津亮太 (ふじつ・りょうた)

アニメ評論家

アニメ評論家。'68年、静岡県生まれ。'00年からフリー。アニメ作品・アニメ業界への取材を行っている。著書に『「アニメ評論家」宣言』(扶桑社)、『チャンネルはいつもアニメ』(NTT出版)、『声優語』(一迅社)、『ガルパンの秘密』(廣済堂新書、執筆は一部)などがある。TV番組に出演したり、複数のカルチャーセンターで講座も担当する。


――利知ですか。

村田:はい。以前、ある作品に参加したことをきっかけに、人間の行動原理を自分なりに考えてマインドマップにまとめたことがあるんです。その時に人間の欲求には3つの直交するベクトルがあると思い至りました。

村田さんが「人間の3欲求」を整理したマインドマップ(※画像クリックで全体画像を別タブで表示)
 

 ひとつめは「利己」で、自分を守ろうとする欲求。もうひとつが「利他」で、家族や種族・同胞など「自分以外の仲間」を守ろう、維持しようとする欲求です。そして3つめが「利知」。広い意味での探究心です。

 たとえば、ゲームなどの娯楽を途中でやめられないのも「一瞬先を知りたい、体験したい」という欲求があるからだろうと。これら3つの欲求軸が、フレミングの法則の手の形のようにxyz軸として直交して存在している、というのが私の考えです。この3欲求を整理したことが、作品づくりにも役立っています。
 

――どのように役立っているのでしょうか。

『A.I.C.O. -Incarnation-』公式サイトはこちら
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©BONES/Project A.I.C.O.

村田:まず、キャラクターの人間性を考える際の具体的な手がかりになります。さらに、視聴者と作品の関係を考える際にも役立ちます。

 たとえばサスペンス作品であれば、その作品のどの部分をお客さんに訴えかければよいか。

 お客さんの利己欲求に訴えかけたいなら、主人公のピンチに視聴者を同調させ「ハラハラさせる演出」を仕掛けます。利他欲求に訴えかけるなら、「主人公や特定の登場人物を救いたい」と思わせる展開が必要です。利知欲求であれば、「犯人探しや謎解きのおもしろさ」を前面に出すべきです。それらを、どれか一つではなく、常に3軸同時に意識しつつ、場面ごとに何に重点を置くかバランスをとることが肝要だと考えています。
 

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