今月の旅指南

2017年10月20日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 明治から昭和初期にかけて、京都を舞台に活躍した日本画家、木島櫻谷(このしまおうこく)。生誕140年を迎える今年、櫻谷の作品のなかでも特に評価の高い動物画に焦点を当てた展覧会が開催される。

 明治10年(1877)、京都の商家に生まれた櫻谷は、16歳で円山(まるやま)四条派の流れをくむ今尾景年(いまおけいねん)に入門。20代で頭角を現し、京都画壇で竹内栖鳳(せいほう)の次世代の旗手として注目を集めた。近年、知られざる作品や所在不明だった名作が発見され、櫻谷の画業を再評価する動きが高まっている。

 本展では、徹底した写生を基に描かれた緻密な筆致の動物画約40点を紹介。櫻谷の青年期から晩成期までの作品を見比べながら、画風の変遷をたどることができる。

 初期の作品で注目したいのは、大胆な筆遣いと繊細さのバランスが絶妙な「獅子虎図屏風」と「熊鷹図屏風」。いずれも初公開で、櫻谷の動物描写の特徴である、思慮深さを感じさせる柔和な表情をたっぷり味わえる。

木島櫻谷 《熊鷹図屏風》(右隻、部分) 明治後期 個人蔵

 代表作「寒月」と、その2年前に描かれ、文展出品後100年以上所在不明だった名作「かりくら」が2年間の修復を経て公開されるのも必見だ。また、下絵と本画が並べて展示される「角とぐ鹿」では、櫻谷の制作過程が分かるのも興味深い。

●生誕140年記念特別展 木島櫻谷 —近代動物画の冒険
 <開催日>2017年10月28日~12月3日*会期中、展示替えあり
 <開催場所>京都市左京区・泉屋博古館(市営地下鉄東西線蹴上駅下車)
   <問>☎075-771-6411

   URL:https://www.sen-oku.or.jp/
    https://sen-oku.or.jp/kyoto/next_program/

*情報は2017年9月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2017年11月号より

 

 

 

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